若大将オーウェン

希望のかなたの若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
4.0
カウリスマキ久しぶりに見たけど、もうカウリスマキでしたね笑
食事シーンだけでわかるあのカウリスマキ感というか北欧感すごい。
ジャック・タチ的と言っていいのか、登場人物が無表情で感情を出さず淡々と形式ばったシュールなコメディとしてニヤニヤしながら見ました。特に本作では日本人なら特に笑ってしまうシーンもあって面白かった。
でもチラシでも書かれてるように「ヘルシンキの片隅に」ある日常がストイックな演出のため、そのままむき出しになって出るため、中身は移民問題を扱ったハードとも言える内容でした。カウリスマキは観客の感化を狙った傾向映画というが、決して綺麗事だけでないのは、前オーナーの給料未払いなどの国内情勢からも分かる。
カウリスマキが描くのは、怒りというよりはこの世界の不条理さだ。
この作品に限らず、移民問題というのは、やはり世界の圧倒的なリアリティで日本も受け入れ含めて、本当に考えなければいけない時期だと思った。
「良いやつばかりじゃないけど、悪いやつばかりでもない」本作を観てブルーハーツを思い出した。