あーさん

希望のかなたのあーさんのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
4.0
*まず、Filmarksさんの試写会で今作をいち早く観せていただけたことに感謝します🍀
ありがとうございました!
今日中にレビューを書くように、、とのお達しのメールをいただき笑 もう少し寝かせたかったのですが、緩々と書き始めることにいたします。。




"幸せ"ってなんだろう?

ここ数年、自分のことや家族のことで行き詰まってからよく考えている。
もちろん若い頃も仕事や生き方が定まらない時、結婚相手を決める時、これでいいのかな?と立ち止まって考える時…というのは人生の節目節目にあったように思う。

自分の経験値からは推し量れないような大事なことを決断する時。今のように発言小町とか知恵袋なんてない時代も、昔の人の書いた知恵や経験を本の中に紐解いたり、あるいは信頼の置ける友人に相談したり、、何か参考になるものはないかと探してきたけれど、

でも、最後に決めるのは自分。

そんな時、そっと背中を押してくれるのが、 アキ・カウリスマキ作品ではないかと私は思っている。

とはいえ、カウリスマキ作品はFilmarksに登録されているだけでも30作ほどあるうちの4作しか観ていない。

愛しのタチアナ
真夜中の虹
パラダイスの夕暮れ
ハムレット・ゴーズ・ビジネス

しかし一度でもこの監督の作品を観れば、独特のシュールさ、どこか漂う温もり、細部を説明しないざっくり感、他とは決定的に何かが違う…と感じることだろう。

今作も、もれなくアキ・カウリスマキワールドが全開で、真面目なのかふざけているのかギリギリの所をスッとすくい取るような技は健在!

フィンランドといえば北欧のオシャレな国というイメージしかなかったが、歴史を遡るとロシアやスウェーデンとの複雑な関係、内戦も経験していて、なかなか独立までの道のりが遠かった国である。

その中にあって独特のユーモアが育っていったんだろうと思う。

そして、忘れてはならないのが全編を彩る音楽。。
ジプシー・キングスのようないぶし銀のおじ様方のバンド演奏、ムッシュかまやつとムツゴロウ風のギターデュオ。
シリア難民の置かれた厳しい境地を歌い上げるような、その憂いを含んだ音色と歌詞が心に刺さる。。

一度だけ観てスッと入ってくる作品ではないかもしれない。
何度も観て静かに味わう、、そんな作品なのかも。
そして、いつもよりテーマが世界規模になったような気がする。

帰宅してからたまたま点けたTVでラッセルの"幸福論"をやっていた。そして、半日寝かせておいたら色んなことが頭の中に押し寄せて、すっかりとりとめのないレビューになってしまった。

映画は色んなことを気づかせてくれる。忘れていたこと、知らなかったこと。

鑑賞後、図らずもトークショーなるものも初体験。
イラストレーターの石川三千花さんとFilmarks?ユーロスペース?のたけださん(すみません、よくわからなくて…)との楽しいお話も貴重な経験となった。
後で調べたら、石川さんは自分と下の子が同い年の双子の男の子のお母さん、とあった。45歳で出産⁈ え?お幾つ…⁈
改めてクリエイティブなお仕事をされている方はエネルギッシュでお若いなぁ、、と感心した。
実は絵も雑誌などで何度も目にしている方だった。

とにかく、夜の渋谷の街を一人で歩くなんて年に何回あるかないか。ドキドキをたくさん体験したひとときだった。。
あーさん

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