ごてふ

希望のかなたのごてふのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.8
新宿ピカデリーにて。カウリスマキの新作は、順次拡大とはいえ現在関東3館のみの上映。115席のキャパは老若男女程よい比率でほば満席。公開直後に観に行くのは映画通の贔屓筋なので評価は概ね高い。その映像は3分観たらすぐにカウリスマキ作品だとわかる独特の構図と色彩感覚と空気感がある。前作に続いて難民問題を描いているが、市井の人間に対する暖かい眼差しや乾いたユーモアは変わらない。≪ムード歌謡≫も健在。犬やワサビやジュークボックス・生バンドなどお約束のアイテムも。世相を反映させてもメッセージなどを声高に叫ばない。登場人物皆々今日一日を生きるだけ。希望は生者の証だろう。終映後の余韻に浸っていると学生時代の知人と四半世紀ぶりの再会。大昔に«マッチ工場の少女»を一緒に観に行った仲。第一声が『タバコ一本くれないか?』お互い禁煙に成功して数年経つが、今日は特別に紫煙を燻らそう。
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