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希望のかなたのlpのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.5
今年のベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督の新作。公開2週目のユーロスペースで鑑賞しましたが、かなりの混雑でした。

映画は難民をテーマにしたヒューマンドラマ。「難民」と聞くと重厚な社会派ドラマや観ていて辛くなる話を想像しがちだし、実際に今作にも難民が虐げられる描写は確かにあります。ただ、今作の良いところは、単に辛い話だけに終始せず、人の暖かみや優しさを並列して盛り込んでいるところ。監督の「世知辛い世の中だけど、それでも人を信じたい」と言わんばかりの姿勢が感じられました。
加えて、ストーリーには適宜ユーモアも織り混ぜられていて、全体的に軽めのタッチでドラマを描くという職人技。さらに、独特な映像美や音楽のセンスも抜群に良い。非常に充実した映画でした。

最後に余談。『ペット安楽死請負人』のマッティ・オンニスマーが脇役で出演していて、少しテンションが上がりました。
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