カウリスマキの映画の小さな物静かな可笑しさ。おかしくて優しくて、その分だけ悲しくなってしまう。
「ルアーブルの靴磨き」も難民を描いていたけど、今作はより苛烈だ。シリアの空爆から逃れてきた男とレストランの人々と犬。殆どの人は善人で優しい。殆どの人は。彼が犬と一緒に見たのは、希望だといいな。
難民問題はとても難しい。その土地に暮らしている人にも、やってきた人にも、どちらの側にも善人もいれば悪人もいる。難民の数は増え続けその土地に暮らす人の築いてきた生活を壊すことになっているのも現実だ。
ただ現状ISは衰退してきており、シリアの復興が進んで、彼らが妹のように「自分の名前」で国に帰れる、それが一番の「希望のかなた」かもしれない。