こより

希望のかなたのこよりのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
4.3
シリアのアレッポで起こった内戦を中心に現代の難民について描いた映画。

実在の人物をモデルにしており、ヨーロッパでは現状こんな感じなんだろうなぁと、
私は難民問題には詳しくないけど、ヨーロッパの雰囲気を感じ取ることができる映画。
フィンランドが舞台なのでフィンランドの現状も感じることができる。
(でもフィンランドだけではなく、ヨーロッパの国全般にいえることだと思う。)
ヨーロッパの人の意見も聞いてみたい。

私としては社会的なテーマの映画をリアルタイム上映で見ることは珍しいので、
退屈だったらどうしよう、と不安だったのだけど、そんな不安は全くの杞憂で、
おもしろかわいい部分も、
悲しく憤る部分もあり、
難しい問題をストーリー性のある物語に落とし込み、
あくまでエンターテイメントである映画の枠組みから出ない範囲で世に問うてるのがかなり凄いことだと思う。
それがこの監督の素晴らしいところであり、絶妙なバランスからセンスを感じられる。
(もっとドキュメンタリータッチに寄ることはきっと簡単だけど、そうすれば退屈になってしまうだろうし、
もっとエンタメに寄ってしまえば、この問題の重々しさをバカにしている感じで不快だと思う。)
こより

こより