シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

希望のかなたのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.6
シリア人の主役が山田孝之に似すぎ(笑)
いや、よく見ると違うんですけど、でも似てるなあ…
『ル・アーブルの靴みがき』と同じく、困ってる人がいたら難民でも助けよう、たとえ法に触れてでも、という話で、フィクションという空間の中でなら、こんなに愉しい話もない。実際、良い話なんですよ。
もう一人の主人公ともいうべき中年実業家も、好人物で、芯の太い男でね。彼と妻との関係も小さい挿話ながら、希望を感じさせる。
ただ、頭の片隅ではチラチラと、小さな物語の解決策を、大きい単位に当てはめたら進路を誤るよな、と思ったり、純粋に娯楽として楽しめないのは、作品が社会派志向だからなんだろうなと思った。このアプローチのかなたに、世界が幸せになる道が果たしてあるのだろうか…?
なんちゃって日本食寿司レストランを試みる迷走でくすりとさせるシーンもあり、日本の曲がBGMとして流れるシーンもある。ここでは、日本がある種の異化作用をもたらしている。『リザとキツネと恋する死者たち』という映画をちょっと思い出した。あんなにあざとくはないけれど。

追記 ムスリムなので(神を棄てたと言っているけど)自身、カラッケツなのに、喜捨を怠らない主人公…というシーンがなかなか良かった。金持ちが施しをしてもなんということはない。貧しきものが喜捨をするから尊いのだな。