糸くず

希望のかなたの糸くずのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.8
カウリスマキ版『ディーパンの闘い』。寄る辺なき移民たちの理想郷はいつも「遠い彼方」にしかなく、「ここ」にはない。

「アレッポの状況は、我々が規定する〈重大な害〉をそこの住民に及ぼしていない」として、シリアへの送還を命じられるカーリド。宿泊施設のテレビでは、アレッポの小児病院への爆撃に関するニュースが流れる。カウリスマキもまた怒っている。随所で流れる歌にも虐げられる者たちの諦念と怒りが聞こえてくる。
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