もこ

希望のかなたのもこのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.8
フィンランドといえば北欧の美しいオーロラの国で、最近では国連調査で「世界で一番幸福な国」だと判明したらしい国。本作はそんな国を舞台に、あんまり幸福そうではない人々が精一杯生きている様を描いた物語。何となく、「ル・アーブルの靴磨き」みたいな穏やかでハッピーな感じなのかなと思っていたけど、ちょっと違った。なんだろう、この突き放されたようなあっさり感。なんとも言えない、切ないような幸福なような、不思議な感覚に陥った。
難民であるカーリドを助けるために優しい人たちがたくさん出てくるんだけど、展開がご都合主義な気がしてちょっと置いてけぼりを食らった(まあ映画なんだからつべこべ言わずに感じろ!と言ってしまえばそれまでなんですけど)。
でもヘビーな問題を扱っているわりにユーモア溢れるシーンや面白いところもたくさんあって、何の力もないけれど互いに協力しあって生きていく人々の姿には希望が持てた。犬も可愛いし……。カウリマスキ監督はこれが最後の作品のつもりなの?それは寂しいなぁ。
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