いつものカウリスマキ映画といえばそうなのだが、本作はテーマと内容が完全に今の時代と一致したというかなんというか、やっぱりこれはまさにトランプに観て欲しい傑作だった。
移民、難民問題を扱った作品としても素晴らしいんだけど純粋に“純映画的”というか“映画”としてとにかく素晴らしくて、その語り口からメッセージの圧倒的な正しさまで含めそう簡単には出会えない高みにある映画だと自分は思う。
決して劇的なストーリー展開があるわけでもなく、感情を大きく揺さぶってくるような激しい演出をしてるわけでもなく、淡々としていてセリフをこんなにも省略しているのに観終わった後に観る前とこんなにも世界が違って見える映画なんてなかなかない。
みなさん仰られていたスシわさびネタは本当に爆笑でしたし、いつも以上に日本愛、小津愛に満ちていたなと感じました。なんていうか映画が呼吸をしているようでした。
もう5億点は叩き出してるんですが、この点数なのは本作がカウリスマキの難民3部作の2作目ということで次回作に期待を込めてのこの点数。