スタンダード

希望のかなたのスタンダードのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
5.0


🇫🇮フィンランド←今ここ
⇧(貨物船)
🇩🇪ドイツ⇨🇵🇱ポーランド
ス ⇧
ロ🇸🇮⇦ 🇭🇺ハンガリー
ヴ  ⇩⇧(妹とはぐれる)
ェ 🇷🇸セルビア
ニ   ⇧
ア   🇲🇰マケドニア
    ⇧
ギリシャ🇬🇷⇦🇹🇷トルコ(船でギリシャへ)
      ⇧
        🇸🇾シリア(アレッポ)


【カーリド】


カーリドはフィンランドに、
『知り合いのいないシリア人』


彼はいくつもの国を放浪して、
フィンランドへとやって来ました。


『観光目的でもなければ』
『自分探しの目的でもない』
『生きるために放浪してきた』


そんな彼にとって、
『自身を厄介者扱いする国』は、
『皆同じ国』
のように見えたでしょう。


彼にとって国境は、
『ただの境界線』でしかなく、
『ただ跨ぐために敷かれた線』
でした。


しかし、
『国は全て同じ』ように見えても、
『人はそれぞれ違う』のです。


【ヴィクストロム】


ギャンブルでボロ勝ちした、
中高年ヴィクストロム。


彼はそのお金を元手にして、
しがない料理店を買い取る。


その料理店に
迷い込んだシリア人を、
ヴィクストロムは匿うことに。


【カリードとカーリドの難民隠し】


離れ離れになった妹
を見つけるため、
カーリドは名前を変えて、
ヴィクストロムの
料理店で働きながら、
友人の力を借りて
妹の捜索にあたります。


ある日、
カーリドは妹の情報を得るため、
人目を避けながら
『友人と密会』します。


友人はカーリドに、
『妹の情報を集めている最中だ』
と告げてカーリドを励まします。


その言葉を聞いて
納得したカーリドは、
その場を後にしました。


その瞬間僕は、
『友人はカーリドを裏切るのでは?』
と一瞬疑いましたが、
極めて無粋な考え方でした。


友人は
カーリドが立ち去った後すぐに、
通行人が
カーリドを目撃していないか
周囲を見回したからです。


この演出には
カウリスマキ監督の、
『この映画に裏読みは不要だよ』
というメッセージが
込められているように感じました。


【ギャンブル】


ギャンブルをするなら、
人の可能性に賭けてみたいものです。


僕は今日まで、
そうやって生かされてきました。


『絶望のむこうは』
『希望のかなたでした』