イトウモ

希望のかなたのイトウモのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.5
シリアからフィンランドにやってきた移民を主役にすることで得意の労働讃歌で国際問題を扱える、そしてそれは各シーンに配置された黒に注視し、社会の影=犯罪映画=ノワールとなる。ただ、テーマがグローバルになり一層手法の時代錯誤感が際立つ。Wアンダーソンに比べて大分鈍臭い。
真っ暗な海と輪郭のない建物、黒い土の中から姿を現わす黒髪の東洋人。国際性がカラフルな色彩に代わるとき希望の光は青と白(または黄色)で表される。一方は警察の制服、行政施設。もう一方は金(黄色)、飲食店の青い壁紙、日本の浴衣の藍。どちらも金髪碧眼の白人