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希望のかなたのozabonのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
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微妙な映画だった。監督が移民問題について俯瞰で見れていない印象で、だから物語が回収できていない。理由もなくいい人ばかりが登場して希望が生まれるのは、それは確かに現実だと思うけれど、もう片方の現実は無いことにして理由もなくフィンランドがいい国だという描き方に感じた。アキカウリスマキの映画は愛しのタチアナまでしか観ていなくて、これが引退作らしいとどこかで読んだので久しぶりに観たのだけど、元からこういう監督で、饒舌になったから粗が目立つようになったのかどうなのか、昔の作品をまた観てみようかしら。 英語のタイトルが「The other side of hope」なら、敢えて片側だけを描いているということだろうか? 運よくポーカーで圧勝してレストランを買い取る主人公。運よく難民施設を脱走し運よくレストランで働くことになるもう1人の主人公は刺された腹の傷も運よく軽傷。希望は、運の良し悪しなのか。 監督が、後に残るものがユーモアに彩られたメランコリックな物語であってほしいと述べている。現実はそんな矮小な物語などに回収されるはずがない。監督の視点はズレている。