希望のかなたの作品情報・感想・評価

「希望のかなた」に投稿された感想・評価

Solaris8

Solaris8の感想・評価

4.2
12/2 ユーロスペースで「希望のかなた」を観てきた。

この映画はシリア難民を題材にした映画だが、シリアの隣国はトルコで、東京国際映画祭でグランプリになった映画「グレイン」が、近未来のディストピア世界を描いたトルコの映画だった。自分はトルコのユルマズ・ギュネイ監督の「路」という映画がとても好きだった。その映画で仮出所を許された政治犯のグルド人がユートピアとして眺めていた鉄条網の国境の向こう側が、シリアだった。

あの映画から35年、映画「希望のかなた」では、シリア難民の人々が、トルコ側をユートピアとして眺め、トルコの難民キャンプからギリシャを経由して、フィンランドにも押し寄せる。映画の中でも難民が多く、フィンランド国内で職務質問が厳しい様子が描かれていたが、フィンランドも身分証明書で管理されるディストピア社会が始まっている。

映画では、そんなシリア難民の事を知る由もない、小さなレストランオーナーが全く別の生活をしていて、ある日突然、もう一人の主人公のシリア難民と出会う。最終的に、そのシリア難民はフィンランド国内の名もない人達の善意に救われる。北欧の隣国、スウェーデンの映画「幸せなひとりぼっち」でも、主人公の隣人がイスラム系だったが、キリスト教的な、汝の隣人を愛せよという精神が根づいているように思えて、安堵する。

映画は最初、セリフが少なく、感情の起伏を抑えた、冷たい雰囲気だったが、そんな孤独の中にも世界共通語の音楽や動物に癒されて、寡黙な人も実は、とても温かく、冷めたスープが徐々に、温められていくような心地良さが、とても良かった。

映画の中で、昔、「赤い鳥」や山本潤子さんが唄って、自分が好きな曲だった竹田の子守唄が流れてきた。京都の部落の歌で長く放送禁止になっていた曲である。全く知らない二人の主人公がフィンランドで出会ったように、世の中では、何か何処で繋がっているものだと気付かされる映画だった。
20180213角川
難民問題をアキ・カウリスマキ風に。
淡々と進んでいくストーリー。移民もなのに暗さがない。寧ろ、クスっと笑えるシーンあり、登場人物は、ぶっきらぼうだか皆あたたかく、良い感じ。

このレビューはネタバレを含みます

初めて見るアキ・カウリスマキ監督作。
テンポや色使い等全てが独特。。
途中の寿司のシーンがシュール過ぎて…
扱ってるテーマは重たいけれど、なんだかんだ優しい人達のおかげで沈まずに見られた。
scarface

scarfaceの感想・評価

3.5
アキ・カウリスマキの心は優しい
yusuke

yusukeの感想・評価

4.0
いいテンポの映画。

無理もなく、でも緊張感もあったりして、重たいテーマだけど飽きることなく見れた。
移民問題はあまり日本には関係なさそうで現実味がなさそうだが、日本の様々な場所で海外の人が活躍しているのを目にすると無関係ではないのかなと思います。

どことなくまが抜けてて、キャッチーでポップなキャラ達。
初めてこの監督の作品を観ましたが、監督の巧みさのようなものが見え隠れした良作でした!
mk

mkの感想・評価

4.0
カウリスマキが難民問題を描くとこうなる
難民支援ってなにもUNHCRとか国際機関が行っている大層なことを指しているのではなく、市民レベルの、差別なく尊重し合うことでもあるのでは?でもそれが難しいことも分かっているから、彼らのひとつひとつのアクションがじんわり沁みてくる。
独特の照明/色彩感覚、静の強調、そして強い演出力で統率された作風などは相変わらずなのだが、今回はとにかく「中東の山田孝之」とでも呼びたいシェルワン・ハジのチャーミングさに、目を奪われっぱなし。内心に怒りと哀しみを蓄積させている難民ゆえの「目力」を見事に表現しており、見つめられたら息が止まってしまいそう!マイノリティの悲哀ゆえか、その若さも枯れた感じの「アキ組役者陣」によく溶け込んでいた。
料理を使ったユーモア演出は、グルメ映画全盛の現代に上滑りしていく感じで、あまり笑えなかったけど。
この監督らしい、包み込むほっこり具合が好き。人間の優しさを感じる。
切身

切身の感想・評価

3.5
山田孝之にみえてしかたなかった…。というのは置いておいて、淡々と、でも、しとやかに、強い人間関係のおはなしだった。
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