希望のかなたの作品情報・感想・評価 - 165ページ目

希望のかなた2017年製作の映画)

Toivon tuolla puolen/The Other Side of Hope

上映日:2017年12月02日

製作国:

上映時間:98分

あらすじ

「希望のかなた」に投稿された感想・評価

難民が難民となるプロセスは一切見せず(主人公の妹の密入国すら、唐突にトラックの底から現れるだけ)、難民の青年がヘルシンキを転々とする様はフィンランド人が妻の元から転々とする様と重ねられる。この眼差し。
そして、カウリスマキ渾身の笑顔に涙する。
@試写

フィンランド名物(笑)のアキ・カウリスマキ監督作品の名物(?)と言えば、孤独な登場人物たちの能面ならぬ蝋人形のようなテッパンの無表情。それが、まさに陽を受けて蝋が溶けるかのように、彼女/彼らにほの明かりのような笑顔が浮かぶのを目撃することほど、至福の映画体験はない。

前作の『ル・アーブルの靴みがき』(2011)から難民問題へのコミットを明言しているカウリスマキ監督のこの新作では、もうひとりの主人公であるシリアからの難民カーリドが、フィンランド人とは全く異なる理由で無表情になる。風貌で目立つ難民は、陰気な顔をしていれば目障りだと街でネオナチに絡まれ、かといって愉しそうな顔をしていてもいけないのである。彼が入れられた難民収容施設で暮らすほとんどの人々は実に暗い無表情だ。そうでなくても故郷を後にせざるを得なかった過去を持ち、慣れない異国で未来を思い描けない身の上なら、どうしたって無表情になって戸惑いや不安を隠すしかない・・・・・・。

だからだろうか、そのカーリドが微かに笑う表情を見せるラストシーンには胸を突かれる。

ちなみにもうひとつ、爆笑もののシーンに全く違う無表情がちらっと登場する。そう、何事に対しても曖昧に笑っているだけの日本人の一群。いや、カウリスマキ監督自身は日本びいき、寿司びいきらしいデス。
Arisa

Arisaの感想・評価

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外からきたものが、社会の外にいるものに助けられたり、他人が他人を思い他人を助ける、その重なりの美しさと優しさ。隅から隅までカウリスマキ!
○緩急の按配でもたせる手法に円熟味が。「急」の部分が多く、絵も寄りより「引き」の方が多くなった気がします。ジミヘン(ポスター)含めての集合シーンに感心。
○省略の大胆さ。妹の密入国のくだりに愕然とした。これでいいんだ!
○犬の唐突な出現シーンもびっくり。
Kano

Kanoの感想・評価

4.1
初めて観ましたカウリスマキ。
そんなカウリスマキ素人として。
難民問題を扱っているのに笑いのポイントが多くて、とっても楽しめた。会場からも何度も笑いが。しかも、誰かを傷つける類の笑いではなく、お茶目な笑い。ユーモアのセンスとか、ぱっきりとしているのに暖かい色使いなんかはウェス・アンダーソンに似てると思った(散々言われていることだったら申し訳ない)。

難民問題を扱った作品は幾つか観てきたけれど、大袈裟に可哀想感を出すことなく、かといってへりくだることもなく、それでいて監督の怒りのような感情も滲み出ている、これまでにない描写の仕方。
カウリスマキ、これからもっと観ます。
Mizuki

Mizukiの感想・評価

5.0
まずOther side of Hope っていうのが納得。

カウリスマキ世界、カメラアングル、音楽/静けさがぐるぐる渦巻いて、ついつい笑みがこぼれました。いや、難民問題はもちろん深刻だけども。。。
それぞれキャラクターが愛嬌あるし、ね。

観てよかったって心から思える映画。
最初の10分、集中切れてたからもう一度観る。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

5.0
【秋だよ!カウリスマキ!と言ってられない5億点大傑作!】
日本公開12/2のアキ・カウリスマキ最新作「希望のかなた」を一足早く難民映画祭で観てきた。

今年洋画部門暫定1位の「レゴ バットマン」を抜くかもしれない大傑作でした。

難民と聞くと遠いイメージがある、私も過去に嫌な思い出があるのでユニセフとか、募金とか難民とかを避けていた。しかしながら、これぞココロヲ動かす映画。シリア問題に興味を抱くきっかけとなった。

こう聞くと説教くさい映画に見えるかもしれない。しかし、本作は「沈黙」により先進国の難民に対する態度に怒りを表明する。

直接的な差別描写や難民の哀しさを表現する箇所は僅か1箇所にとどめ、空間で観客に笑いと悲しみを与える。そして、ジェットコースターのように爆笑の渦へと観客を突き落とす展開に抱腹絶倒大満足でした。

「過去のない男」にも登場したバンド、マルコ・ハーヴィスト&ポウタハウカのメロディに合わせ心酔させられた傑作でした。

尚、これから観る人はなるべく予告編も、映画情報サイトの記事も読まないように。宣伝の方がそこを推したいのは分かるが、そりゃかなりネタバレなんで。
hiro

hiroの感想・評価

5.0
色彩、雰囲気、変わらずカウリスマキだった
テーマは深刻だけれども説教じみていない、個に訴えかける、そしてその分ユーモアたっぷりに笑わせてくれる
ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、なのにこんなに幸せな気持ちにさせてくれる映画はカウリスマキだけなんじゃないかと思う
JBOY

JBOYの感想・評価

4.6
難民映画祭2017にて。
カウリスマキ節のユーモアが散りばめられながらも、シリアからの難民というシリアスな題材を非常に絶妙なバランスで描いていました。スシが出てくるシーンでは会場爆笑で、そこからまた問題にぶつかると考えさせられる。ラストは前作と違い苦い後味で日本もまた他人事ではないな、と 射殺 なんて言葉が飛び交う現状で 希望の"かなた"という題名が強く刺さります。
collina

collinaの感想・評価

5.0
観ることができました!シェルワン・ハジさんのお話も聞くことができました!

カウリスマキは帰りの電車で考えるのが一番しあわせかも。
やっぱり、カウリスマキだった。

人間らしさ。
ハジさんの人の話で人を判断するのでなく自分で判断するというのは
印象的だった。

いつもより饒舌かもしれないカウリスマキ。
カウリスマキのユーモアはたまらない。
カウリスマキの作品ををみているかたなら、思わずおおっとなるところも。

大好きだカウリスマキ。

もう一度観に行こう。

12月17日 2回目 ユーロスペース
やはり、フィルムは違った。ティモ・サルミネンの夜、という言葉を見かけたが、
やはりその通り、全く夜の美しさが違った。
彼らの乗った車のシーンはあまりにも美しく観たことがないほどだった。
そして、あの彼の眼に映る街。

カウリスマキは本当にするっと通り抜けてしまう。
ユーモアと音楽と共に。

何というか、懐かしく、あたたかく、そして、それを失っていく自分にきゅっとさせられる。

The other side of hope.
反対側に何があって、希望のかなたに、私たちは何を観るのだろう。