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「希望のかなた」に投稿された感想・評価

Shirota

Shirotaの感想・評価

3.9
カーリドは貨物船に隠れ、内戦が激化するシリアのアレッポから遠く離れたフィンランドの首都ヘルシンキにたどり着く。いわれのない差別と暴力にさらされるカリードだが、レストランを営むビクストロムに助けられ…というストーリー。


初カウリスマキ‼️

登場人物たちは感情をあまり出さず、淡々と物語が進んでいくのだけど、ちょっと笑えたり、グッとくる台詞があったりして、見ていて引き込まれた😆

「素敵な荷物を運べた。金はいらない」

見返りを求めず、こんなことをサラッと言えるような人になりたい😊

いきなり寿司🍣レストランになるのは日本人として笑って見てしまう😅
わさび、ヤバーッ😵
ネタと同量じゃん💦
ハチマキや、鐘も、外人から見た日本🇯🇵という感じで笑えた😆

映像の色合いと音楽がクセになる感じ。

人々の無償の優しさに触れたい方にオススメ。

このレビューはネタバレを含みます

ワイシャツの卸問屋のヴィクストロムは、妻のもとを去り在庫のワイシャツを全て売り払い、カジノで増やした金でゴールデンパイントというレストランを買い取りオーナーとして新しい人生を歩み始める。
カーリドはアレッポからフィンランドに流れ着き、警察で難民申請をした。
カーリドは、アレッポから逃れる途中ではぐれた妹ミリアムを探している。
難民認定されて一年を超えるマズダックは、右も左も分からないカーリドに親切に様々なことを教えるのだった。
ある夜カーリドは、フィンランド解放軍を名乗るネオナチの3人組に暴行され、這う這うの体でなんとか逃れる。
彼らにとって難民は差別し攻撃する対象なのだ。
ゴールデンパイントのオーナーとなったウィクストロム。
従業員はボーイのカラムニウスとウェイトレスのミルヤ、シェフのニュルヒネンの3人。
人気のレストランとの触れ込みだったが、頼りなくどこかずれた3人の従業員との幸先不安のあるスタートだった。
カーリドの難民申請は、アレッポでは戦闘がないとの外務省の見解で却下され送還が決定される。
しかし直後、ニュースではアレッポの病院が爆撃を受け、食料にも困窮している有り様を報じていた。
送還されるわけにはいかないと、マズダックに別れを告げて施設を脱走するカーリド。
ヴィクストロムは、ゴールデンパイントのごみ捨て場で眠っているカーリドを見つけ、食事を与えて店で働くことを提案して倉庫を住まいとして提供する。
カラムニウスが親戚を頼ってカーリドの身分証明書を用意し、安定して生活することができるようになったカーリド。
売り上げが振るわない店をどうにかしようと従業員で思案し、寿司を提供するよう店を大改装する。
しかし客は手も付けず帰るほど不評。
その後、バンドの生演奏のなかでダンスを踊れるバーに転向してようやく安定することができた。
そしてマズダックが、リトアニアの難民センターでミリアムが見つかったとの情報をもたらす。
今すぐミリアムに会いに行きたいと言うカーリドを、ヴィクストロムは冷静に引き留める。
まずはミリアムに手紙を書き、知人のトラック運転手に頼んでミリアムを密航させることに成功。
礼金を支払おうとするヴィクストロムに、運転手は素敵な荷物を運べたから金はいらないと言うのだった。
カーリドはミリアムに偽造の身分証明書を作るように言うが、私は私だとミリアムは名前を変えることを拒否する。
その夜倉庫に帰る途中で、以前カーリドを襲ってきたネオナチの3人に再び襲撃され、腹を刺されてしまう。
ヴィクストロムは妻を訪れ、ゴールデンパイントで一緒に働くことを提案する。
病院に行けず簡易な治療をしただけの腹の傷を隠したカーリドは、移民申請するために警察に向かうミリアムを見送る。
そして、川原で寝そべって手続きを終えるミリアムを待つのだった。



細くて小さいナイフだったとしても、まともな治療をしていないカーリドがその後どうなったのかは描かれないまま。
あの後さすがにアレッポは戦闘地域として認められただろう。
ミリアムはフィンランドに難民として受け入れられ、カーリドとしてはハッピーエンドと言える。
ヴィクストロムはじめ、ゴールデンパイントの従業員もマズダッグもトラックの運転手もみんないい人…!
行政の冷たい仕打ちを受け、ネオナチに教われたりしながらも、それでもあたたかい人たちもいた。
フィンランド人だからと一くくりに好悪を決めることはできない。
ゴールデンパイントのみんながおもしろくてほっこりする。
あの寿司レストランはちょっとひどい。
カレースプーンに山盛りのわさびを乗せるとか、もうちょっと食文化勉強してくれ。
せめて味見するとか…。
ちょいちょい流れるおっさんが歌う歌がまたいい。
店の経営が安定して、従業員も潤ってヴィクストロム夫婦の関係も円満になればいい。
そして希望のかなたにカーリドも無事でいてくれればこれ以上言うことはない。
優しさと笑いと歌、いい映画だった。
ken

kenの感想・評価

2.2

このレビューはネタバレを含みます

今観るとやっぱウクライナと重なっちゃうね。なんちゅう密航の仕方や!と思ったが、戦争によって難民となった男の辿る末路。何にもしてないのに最悪やな。日本弄りとペヤング並みの極辛わさび寿司はちょっと笑った。本まで買って勉強したのに何でそうなる?あと劇中で流れる曲の歌詞がクセ強い。(2022-177-4-36)
友人がカウリスマキが好きで勧められてたんだけど、初めて鑑賞。
確かに、クセになるな。
イランのアレッポと言っていたけど、アレッポはシリアだよね。
主人公はシリアからの難民で、なんとかフィンランドに辿り着いた。
もちろん難民申請を出したのだが、アレッポは現在空爆も無く落ち着いているから帰れ、と強制送還されそうになり、難民収容所を脱走するが…という話。

出てくる通りすがりの人が極端なんだよね。
悪い奴もいれば、ここまで面倒看てくれるの?という人もいるしで。
特に悪い奴なんかは、同じ職場の根性悪い先輩とかならまだ分かるけど、行きずりの人間がここまで執拗にターゲットにするだろうか?
別に主人公に麻薬の取引の邪魔をされたとかでも無く、なんの被害も被ってないというのに…。

フィンランドにも酒場にはネオナチみたいなのが居るのだろうか。
しかし、その割にはそういう右翼思想ムンムンにも見えず、単に柄の悪い酔っ払いにしか見えなかったので、締まりが悪かったです。
日本贔屓のカウリスマキ、情けない法被ハチマキ姿でワサビ盛り過ぎ寿司レストランを失敗するご愛嬌シーン添えて、行方知れずの妹を探す不法難民カーリドと酒浸り妻に愛想を尽かせた中年男ヴィクストロムの交わりを温かく描く。時はメキシコ移民排除の保守トランプ旋風の真っ最中、カーリドを仕切りに追い回すネオナチ団をトランプに見立てて人類共存のメッセージをさり気なく提示。カウリスマキに嵌ってくるとビートの効いた歌謡音楽をいつまでも聴いていたい中毒症状になってくる。
シリア難民がフィンランドに密航。そこで出逢った人達に助けられ、生き別れた妹を探すお話でした。

あらすじ観ない派の私は、GYAOの画像で寿司屋っぽい格好をしていたのでコメディ作品だと思って観ました。

皆さん喜怒哀楽の表情が乏しいので、ドラマチックなのかコメディチックなのか分からない不思議な作品です。

TMI...フィンランドの世界一マズいお菓子「サルミアッキ」知ってますか?
黒くて硬いグミのような触感で、味は上手く言葉で表現できません笑
友人にお土産でもらって、ドッキリ仕掛けられたんですが、私は意外と清涼感があって好きでした。あまりにもノーリアクションな私に引き気味でした。
みけ

みけの感想・評価

3.6
おもしろすぎるやろ
音楽、画も品がよいユーモア
犬よ、わさびよ、ニシンよ
コメディっぽさを含みつつも極めて深刻な難民問題を扱った意欲作。内戦の故郷シリアから逃れた青年が幾つかの国を経てフィンランドに流れ着く。彼が見てきたのは右傾化した各国の政情。自国の利益を優先し困っている人に手を差し伸べない政治。難民申請は受理されない。内戦の深刻さを過小評価し故国へ追い返す。中には排他的な姿勢を暴力によって示す極端な右翼思想の者さえいる。そしてそれはフィンランドも同じだった。しかしその一方で困った人を見て見ぬふりできない者もいた。青年を強制送還から逃してくれた入管職員。彼の行方不明の妹を探してくれた難民仲間。ちょうど人生を再出発したレストランオーナーもそう。彼は青年を雇い入れ事情を知ると己の懐から散財してまで尽力してくれた。そんな善き人たちの無償の力添えがあってようやっと妹との再会を果たせたのだ。しかし…。兄妹それぞれが希望のかなたに見るもの。光か闇か。それは私たちの想像に委ねられている。世の中から寛容さが失われ殺伐としていく昨今の世情である。不寛容であることは簡単だ。知らん顔していれば済む。一方で寛容であろうとするのは極めて困難。代償を払い己の身を削るだけの覚悟が必要だから。でも例えそうであっても傷んだ人々に手を差し出せる世界であってほしい。そんな痛切なメッセージが込められていたように感じた。
本作でカウリスマキの長編作品を全て鑑賞できた。「浮き雲」同様に犬の果たす役割も見逃せないところ。パッとしないレストランから鞍替えした鮨屋の頓狂なありさま(ワサビの量!)に笑いを誘われる。
6月の朝

6月の朝の感想・評価

4.1
ユーモアに包まれているもののシリア難民の主人公の現実は過酷だ。なぜ家を破壊され、家族を失った者を快く受け入れられる社会ではないのだろうか。胸が締め付けられる。しかも主人公を待っているのは無知からくる差別と暴力。これはフィンランドに限ったことではない。
作品とは直接関係ない感想だが、2022年4月に観ると、この時もっと世界が関心をもってこの内戦を止めていれば今のロシアの暴走も違った状況になっていたのでは、と辛くなった。

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