希望のかなたの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「希望のかなた」に投稿された感想・評価

シリアのアレッポを逃れ、難民としてフィンランドに辿り着いた青年カーリドとフィンランド人老年男性の交流を描く。
「ヨーロッパにおける難民問題」を念頭に観たものの、それだけに留まらず映画としての滋味が溢れていて本当に観てよかった一本だった。

難民として彷徨った末のカーリドと妹ミリアムの言葉には想像力を掻き立てられ、新聞やニュースを見るより胸を揺さぶられるものがあった。島国の日本において、この問題がここまで琴線に触れてくるのは稀なことかもしれない。

移民と国民。差別される側とする側。その両者の間にたゆたうようなムードたっぷりの音楽たち。居心地の悪い互いの溝を埋めるように鳴り響くビートは“音楽のまえでは皆平等”なのだと発しているようだった。

まさかの「スシ」(というかワサビ⁉︎)ネタは思わず笑ってしまったし、それと静的なやりとりに潜むユーモアにも、作品の根底にじわりとある人間的な優しさに自然と気持ちがほぐれた。カーリドとヴィクストロムが出会い、帆が風を受けたように進む展開は心強くさえあった。

混迷のなかにある問題に真っ当な視点と希望を持って切り込むとき、映画の力はなんて強いんだろう。こういう映画の在り方っていいな。
色彩がめちゃくちゃ好みで、どのシーンもすごく絵になる…
フィンランドに抱くイメージ通りのあの薄暗さと薄汚さのレストランがすごく良い、ほんとうにフィンランドはあんな感じなのか?

少しクスリとするシーンがあったりして、わかりやすい感動的なシーンはないけど心に残る作品だった。地味だけど好きだ。
誰も善意ぶってなくて、ただ当たり前のことをしているだけ、みたいな感じがすごくよかった。

主人公の人、山田孝之という人もいるけど私は妻夫木聡かと思った(笑)とにかく日本人的な顔すぎて、ミリアムが妹という設定がなんだか変な感じだった〜
ゆ

ゆの感想・評価

3.6
音楽がどれもこれも最高だったな。
静かにちょっとのっぺりと映画が進んでいくのが心地よかった。誰も必要以上に話さないし、笑わないけど、だからこそ些細な表情の変化が丁寧に描けるのかなと。

あとは主演の人が山田孝之さんに激似であった。。
Hana

Hanaの感想・評価

4.5
酒・たばこ・音楽・食
作中で扱われる文化と趣向品は宗教や国が違えど、人と人の共通項になり得るのが観ていて心地良かった

淡々と進む感じがまたよかった!
KAZU

KAZUの感想・評価

3.8
<希望の彼方×犬ケ島 @早稲田松竹>
ヘンテコな日本描写つながりの両作品の併映を鑑賞してきました。

アメリカファーストを代表とした、自国優先主義、EUの反移民の流れにカリウスマキ監督流の皮肉と反発が投げかけられている。しかし、暴力的なイデオロギーを持って問題を提起するのではなく、あくまでも人間の持つ『善』や『愛』を主題に描いています。其々に置かれた境遇に助け合う姿にとても感動を覚えました!
世界を情勢や政策でなく、人で測るように訴えてる気がする映画
出てくる登場人物の多くが俺以上の不幸を抱えつつもそれでも他人を気遣い続ける気持ちに人間のあるべき姿を垣間見る

時々入るユーモアが悲壮感を更に増し、映画でガチで泣くのはこれで4作目
笑生

笑生の感想・評価

3.5
フィンランドの巨匠・カウリスマキ監督初見やけど、独特の世界観やったなー。台詞を最小限に抑えて、アングルも最小限に抑えて、余計なこと何もしないのに間の取り方が独特すぎる。笑
画も絵画的でところどころカッコいい光の差し方してて良い。さらにストーリーも余計なこと何もせず、めちゃくちゃシンプルに進んでいく。というより、あえて山場を山場と見せてないというか。
レストランのキャラクターもおもしろくて、寿司のくだりはふざけてた。笑
アート的な社会派映画かと思いきや、意外とユーモラスな人情物として見れて良い映画やった。社会的なテーマはもちろんあるけど。
フィンランドに逃れてきたシリア難民の青年の話。

シリアに送還されそうになる主人公。アレッポは戦争状態とは認められない…こういう物言いって日本だけじゃないんだな。
ネオナチによる暴力、彼を守り助けてくれる人たち。

劇中で演奏される音楽がどれもすごいかっこいい。中盤やたらコミカルなシーンがあったり、2017年作品だけどレトロなフィルム作品のような加工?の仕上げになっていたり、なかなか独特な映画だった。

ネオナチの男が主人公に吐き捨てた「ユダヤ野郎」というセリフは、差別主義者の軽薄さと愚かさへの痛烈な皮肉と批判だった。

かなり不安が残るラストだったけどワンちゃんが来てくれた感じとかから、あのあとは上手くいったと信じたい。

本編と関係ないが、エンドロール後半無音なのが、なんか良かった。作品について振り返る時間になったのと、普段あんな無音の空間にいられないから新鮮だったというのもあるかもしれない。
不寛容についての二本立て、第一本。冷たくない黙説法、好き。こういう映画もっとたくさんあったらいいのに。いろんなもんがやたらレトロ感あるけどヘルシンキってほんとにこんななんか。サントラが抜群に素晴らしい。
やっと…やっと拝見致しましたカウリスマキ様。。。

冒頭の中年男が家を出て行くシーンを観ただけで、もうこの映画が傑作であることがわかる。往年のカウリスマキが未だ健在であることを伺わせてくれる素晴らしいシーンだ。
そして中年男の車が難民男を轢きそうになるシーン。このシーンがなくても物語は成立するのだが、このシーンがあるからこそ物語がより一層輝きを増す。運命というものがあることを私たちは目撃してしまう。
終わり方も秀逸。カウリスマキ節全開の希望に満ち溢れたシーン。
多くを語らないからこそ、よりたくさんのことを語っているカウリスマキ映画。

"The Other side of Hope"
目の前に写る対岸に私たちは何を見ることができるだろう?この映画がそれを教えてくれる。。。

とにかく素晴らしい!
カウリスマキ万歳!!!!