希望のかなたの作品情報・感想・評価 - 5ページ目

希望のかなた2017年製作の映画)

Toivon tuolla puolen/The Other Side of Hope

上映日:2017年12月02日

製作国:

上映時間:98分

4.1

あらすじ

内戦が激化する故郷シリアを逃れた青年カーリドは、生き別れた妹を探して、偶然にも北欧フィンランドの首都ヘルシンキに流れつく。空爆で全てを失くした今、彼の唯一の望みは妹を見つけだすこと。ヨーロッパを悩ます難民危機のあおりか、この街でも差別や暴力にさらされるカーリドだったが、レストランのオーナーのヴィクストロムは彼に救いの手を差しのべ、自身のレストランに雇い入れる。そんなヴィクストロムもまた行きづまっ…

内戦が激化する故郷シリアを逃れた青年カーリドは、生き別れた妹を探して、偶然にも北欧フィンランドの首都ヘルシンキに流れつく。空爆で全てを失くした今、彼の唯一の望みは妹を見つけだすこと。ヨーロッパを悩ます難民危機のあおりか、この街でも差別や暴力にさらされるカーリドだったが、レストランのオーナーのヴィクストロムは彼に救いの手を差しのべ、自身のレストランに雇い入れる。そんなヴィクストロムもまた行きづまった過去を捨て、人生をやり直そうとしていた。それぞれの未来を探す2人はやがて“家族”となり、彼らの人生には希望の光がさし始める…。

「希望のかなた」に投稿された感想・評価

pipboy101

pipboy101の感想・評価

3.7
こういうと誤解を招きそうだけれど、物凄く品のある作品だった

テーマそのものは重いものだけれど、削られたセリフ、空気を捉えるカット、ひといろでは捉えられない独特のリズムと構成

観終わった後もこの映画の味の出どころが掴みきれずに不思議な余韻がある

2018年度劇場4本目
アヤノ

アヤノの感想・評価

4.0
明るいテーマではないけど、温もりを感じた。日本人ならスシレストランのあたりのやりとりは笑ってしまうでしょう。

最後のシーンが良かった。
希望のかなた

初体験のアキ・カウリスマキはリズムが独特

前々から観たいと思いつつも、DVDでは集中できなさそうで、なかなか公開タイミングに合わず、見過ごして来たアキ・カウリスマキ作品。

昨年の『私は、ダニエル・ブレイク』や『パターソン』同様に、知らない街の現実をリアルに切り取った作品は、それだけで価値があると思うのだけれど、フィンランドの難民の状況がリアルに描かれていた。

シリアやイラクからの難民が流れていることも知らなかったし、こんなに路上ミュージシャンが溢れていることも知らなかった。というか、そもそも、フィンランドの街並みがこんな感じだと知らなかった。

彼らが生きる社会の厳しさがはっきりと背景に描かれている分、登場人物の優しさが際立つ。

自分を犠牲にしながら妹の難民手続きのために遁走する主人公カーリドも、彼を助けるレストランオーナー ヴィクストロムも、レストランの店員ひとりひとりも、カーリドと共に留置所に入ったイラク人の彼も、みんながみんな優しく、美しい。

でも、苦しい社会は美しい彼らを許さない。全てが全て、上手くはいかない。

国民的映像作家として、今のフィンランドを映し撮るという仕事は果たしつつ、作家性をもって、これだけ娯楽性の高い作品を作れるというのは流石としか言いようがない。

あの寿司のシーンは日本人のために作ってくださったんですかね。バカにするのでなく、理解の仕方がズレまくってることによる笑いの取り方みたいなのは、今の日本のバラエティ番組にも学べるところが多そう。(ステレオタイプな日本人ぽいアジア人を起用してないのも良かった)

次回作があれば、観たいです。
カウリスマキの映画を観た後で吸う煙草は殊の外美味い。ポイ捨てはしない笑

「寛容」とは何か。SNSでの共感の数や心温まるストーリーを集めたサイトを閲覧することで「寛容」とは何かを知るのもいいが、まずは困っている隣人に大袈裟でなくただ手を貸すだけで、なんなら無口無表情で構わないし愛想笑いも振りまかなくていいから、とりあえず手助けだけしてみればいい。カウリスマキ監督は愛すべきミニマルな演出にて義理人情の大切さを教えてくれる。ぶっきらぼうと言っていいくらいに、しかし決して突き放さずに。

難民を統計として撮るより個々の人間性を尊重しあわてず騒がず、
彼らの厳しい現状を落ち着いて伝えてくれるストーリー。
一念発起してレストランを手に入れ第二の人生を歩みだす男は
ポンコツ従業員にも難民の主人公にも黙って手を差し伸べる。
従業員らが拾ってきた犬を捨ててこいと口にはしつつも結局は店で飼っている。
主人公の為にいささか危ない橋も渡るし、乏しい知識で日本料理にも挑戦してみる(ワサビ多過ぎ笑)。
避難所では疲弊しきった難民達が、主人公が探す妹のために携帯電話を躊躇いなく貸してくれる。
異国の楽器も「おや、弾けるのかい」と貸してくれる。
街の夜には片隅でロックが歌われ、日本の歌謡曲もたまに混ざる。
ここに世界の「分断」なんかないぜ。
声高らかにメッセージを叫ぶほどこっちもヒマじゃないが
義理人情くらいバッチリ持ち合わせてるぜ。
レストランに飾られたジミヘンのポスターが愛しい隣人たちを見守ってくれている。
ラスト、拾われた犬は主人公の下に店のみんなを導いてくれたはずだろう。

排斥や分断は
映画ひとつの力じゃどうにもならない。
映画は人の情け求むる心の為にある。
あの、最高でした。

難民でちょっと重いテーマなのにアイロニーとユーモアのバランがほんとに絶妙で全然説教くさくない。
ヒーローなんていなくていいよね。手の届く範囲の人だけでもいいから、みんなでちょっとずつ助け合っていこう。
隅から隅まで優しくて美しくて、カウリスマキでした。
megさん

megさんの感想・評価

3.0
ごめんなさい
皆さんの評価とは違い、私はあまり楽しめなかった。こういう映画に慣れておらず、映画通でないからかな。
あまりにセリフが少なく、俳優の表情もなく、画面に物がなく色だけがある感じ。
途中何度も寝そうになって、起きておく為に カーリドは山田孝之だと思いながらみていた(自分でも意味がわからないけど)。
先述のように至極シンプルな画面には、優しさがある、みんな優しい。 それがいい映画にしているんだろうなぁ。
犬 ワイヤーのジャックラッセル?
いいね。
memo

memoの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

腹を刺されながらも微笑むラストにやられた、エンドロールの曲を聴きながら自然と落涙しました
人間のあたたかみを感じられる映画
ローアングルのカメラと色彩、質感、無表情な動作の人物、撮り方が面白くて小津安二郎からの影響がわかりやすい
主演の方と妹役の方の強い眼差しが印象に残る(特に主演の方は、ずっと目がキラキラと、ギラギラとしている)
インペリアル寿司・・・思い出すだけで笑える
アキさん節がキレキレでした。主人公の見た目が自分に似てて感情移入しまくり。
茅

茅の感想・評価

-
朝早く起きた友人が、彼の毛布をまだ寝ている私にそっとかけてくれた。そんな優しい作品だった。

この映画が胸に響く時代に生きている
askQ

askQの感想・評価

4.5
さりげない優しさが、あとからじんわりくる作品。すごーくよかったし、考えさせられた。誰かを受け入れることは、自分を受け入れることでもあるんだな。

命からがら、なんとか祖国シリアを抜け出したカーリドを待ち受けていた現実は過酷。「情勢はそこまで不安定ではないから」と、問答無用で強制送還なんて、命を再び危険にさらしなさいと命令することと同じ。

だけど、そんなカーリドに手を差し伸べるレストランの面々や、収容施設で出会った友人など、まだまだ世の中捨てたもんじゃないと思わせてくれる希望の光たち。

欲しいものは、大好きな人たちとの平穏な暮らし。「みんなで救う」のキャッチコピーしかり、誰かの気持ちに寄り添える自分でいたいとつくづく思った。

寿司のシーンは爆笑。和装と壁のジミヘンポスターのシュールさ!ワサビ盛り盛り寿司を食べさせられたお客さんたちを見送るメンバーたちのせつなさったら…。
カウリスマキ作品独特の「間」は、今作でも健在だった!

監督おなじみの、ジュークボックスとバンド演奏と無表情な顔。ヘルシンキは行ったことない街なのに、なぜだかいつも懐かしい気持ちにさせてくれる。こういう気持ちは、国とか関係なく、根底に流れてるもんなんだろうな。