希望のかなたの作品情報・感想・評価 - 65ページ目

「希望のかなた」に投稿された感想・評価

kht

khtの感想・評価

4.5
いやあ。良い。「どう?面白いでしょう?」みたいな主張の強さは一切なくて、「あ、やっぱり気付きました?良かったら笑っていってくださいねハハ…」くらいのスタンスというか、力の抜けてしまうようなユーモア。完全に心を掴まれてしまった。

優しい世界という光があれば、残念ながら世の中には闇の部分もあって、でもちゃんと光の側の人々が助け支え導いていってくれて、だから生きていくんですっていうね。いやーそうなんですよね。マズダックも言う通り、生きねばと思えるんです。
難民問題はやはり現状日本人からはリアリティをもって共感しにくい部分が当然大きい。何がどう変わっていくか分からないこの世界で、将来的にこういう作品を参考にしなければならない日が来るのかもしれません。

音楽、特に数多登場した弦楽器は準主役と言っても良い程の意味を持っているように映った。"音楽か?死か?"なんてフレーズも飛び出していたけど、酒場での弾き語りとか送還前夜のカリードとか、音楽から何かパワーをもらって、それが登場人物たちの行動や思考にダイレクトに伝播していくようなそんな画が見えて、うわぁー凄く良いなぁーと思いました。
さわら

さわらの感想・評価

5.0
2回目の鑑賞。
文句なく、2017年ベスト映画!

不寛容な時代での、運命をも変える小さな草の根の優しさに胸が震える。なんて優しんだ!しかも、一方的に施しを受けるカーリドも実は誰かを救うパーツであったことの美しさよ!

いつかの僕が名前も知らぬ誰かに優しくされたように、いつかの僕も顔も知らぬ誰かの助けになっていたらうれしいな。意図せずとも、内在する人のチカラを信じるカウリスマキの映画力にほんと感服する。

とはいえ、全面的な人間賛歌にとどまらず、ぴりりと辛い人間の内面や冷たい現実も時折垣間見せる。
しかし、それでもこの世界は信じるに値する。ラスト、カーリドの視線の先には確実に“希望”があった。嗚呼、涙!
マヒロ

マヒロの感想・評価

4.0
シリアから逃れて偶然フィンランドに流れ着いた青年カーリドと、妻と別れて心機一転レストラン経営を始める男ヴィクストロムとの交流を描いたお話。

厳しすぎる現実を生きる人々を、ほんのちょっぴりのユーモアを交えつつ描くカウリスマキ節は変わらず。みんな無愛想で取っ付きにくそうなのに、揃いも揃って親切な人ばかりなのがたまらん。

序盤はカーリドとヴィクストロムが出会うまでの様子をほぼ台詞なしで描いていて、説明なしで分かりやすく描写する力は確かに凄いんだけど、思ったよりも長いので若干退屈さも感じてしまった。
一転、カーリドがヴィクストロムに拾われてらからはすっとぼけたギャグの連発で一気に楽しくなる。行政の立ち入りとか迷走したレストランが寿司屋を始めるところとか、やってることは志村けんのコントばりにベタなのに、やっぱりみんな無表情・無感情なのがより一層笑える。

決して押し付けがましくなく悲嘆に暮れるわけでもなく、淡々と辛い実情を描き、それでいて娯楽映画として楽しく観られるという素晴らしいバランス感覚の映画。監督はプライベートな時間を過ごしたいという理由で今作にて引退を公言しているみたいだけど、それは寂しい…。もう疲れたと言う人にもっと撮れというのは酷な話だけど、まだまだカウリスマキ流の映画が観たい。

(2017.7][1]
カウリスマキ監督の作品が今年初の映画館鑑賞作品であることが嬉しく幸せ‥シリアの空爆から逃れフィンランドに偶然たどり着いた青年(難民)の厳しい過酷な現実‥劇場はほぼ満席~ニュースでは空爆や難民の問題受け入れ国の問題等を見聞きするも現実にはどこか差し迫らない‥何ができるだろう‥哀愁がありながら明るく力強い音楽を聞きながら登場人物達の優しさとユーモアに救われ少し前向きな希望を感じた&ラストの青年の顔と視線が印象的な作品でした♪
全然関係ないけど
アキ・カウリスマキ-鰊の塩漬け
小津安二郎-寿司-日本
ジム・ジャームッシュ-ハンバーガー-アメリカ
ならフィンランドって正答できたかな笑
安定のカウリスマキ。
いつも通りと言えばそれまでだが、そのいつも通りが心地よい。
今回は難民という現実的なテーマを選んでいるものの、それが全面に出すぎない具合がちょうどいい。
いつものようにシニカルな笑いとヘンテコな曲と、独特なリズム。
これだけでカウリスマキファンはやられてしまうのである。
 2018年、劇場鑑賞4本目の新作映画

 アキ・カウリスマキ監督の作品、引退作にして、本作が初めての1本です。国を捨てざるを得なくなった人々、そんな彼らを待ち受ける現実が描かれます。

 この映画の好きなところ、それでも深刻になりすぎないところです。底抜けに明るいというわけではないかもしれないけれども、なんとかその日その日を少しばかりの暖かさ、おかしさ、ほんの少しの思いやりで、慎ましくも乗り切ろうとする人々。そういった、人と人との暖かさが、「ほんのすこし」というさじ加減だからか、押しつけがましさもなければ、偽善的な雰囲気もないんです。、だからこそ、欺瞞に見えない問題の切実さが、映画の端々から見えてくるのです。

 あまりに映画にしようとしすぎて、不幸のオンパレード状態になって・・・そのせいで逆に作り話にしか思えなくなってくる。そういう瞬間、映画でよくあると思うんですけれど、(勿論、そうして作ったからこそ面白くなる映画だってたくさんあります。)この映画にはそういうなる瞬間は皆無です。

「あ、本当にこんな感じなのかな」

 と思わせる絶妙なラインです。聖人になってしまわない程度にいい人、ハードになりすぎない程度の深刻さ・・・こういったところで決して盛りすぎないんですよ。だから見ていて、一本の映画として安心して見えるというのか、とにかく観ていて心地よいのです。

 笑わせすぎないジョークのセンスもすごく品がよくて、爆笑、というほどではないにせよ、クスクスと笑える瞬間がいっぱい。このクスクス程度なのがとてもいいんです。登場人物は全員、昔のガキ使でやっていた、松本人志のパイ投げ地獄並みの無表情とローテンションぶりで、大げさすぎないボケ倒しを繰り返すのが面白い。

 さりげなく出てくる看板やら、リアクションの数々。

 喩えるなら、笑ってはいけないシリーズで、大爆笑程じゃないけれど、地味におかしくて2人くらいケツバットされるくらいのテンションの笑いです。

 そんな可笑しさの裏側に、確かに忍び寄り、常に登場人物たちの裏側にあり続ける、現実の冷たさと逃れ得ない救いのなさ。一縷の希望だからこそ見えてくる、現実の暗さ。そういったものが、だからこそより真に迫ってくるのです。
じょい

じょいの感想・評価

3.0
「人だ」と思った。
些細な違いだけで壁を作って、立場が生まれる。わざわざそんなことをする世界。
そんなの無視して溶け合える人もいる。
きいろ

きいろの感想・評価

4.6
魂の救済だった
壮絶すぎる難民の人生と、それを包み込むユーモアが愛おしい。
言葉もカットも最小限でさりげなくて、良い音楽にまた救われる 善人なわけではなくてただ当たり前に人に優しくしているだけなのだと思った。

難民のことなど分かっていないわたしのような人間が出会えてよかったと心から思います。パンフレットも必読でした。
監督の現実に対する強い憤りと、それがこの優しい映画によって表現されていること。
Bluegene

Bluegeneの感想・評価

4.6
シリア人の青年とフィンランド人の中年男。なんの接点もない二人の話が並行して描かれ、やがて合流する。
一方に冷たい官僚システムや排外主義があれば、他方に見捨てられた人にー犬にもー差し伸べられる手がある。現実の難民問題は映画よりずっと複雑だけれども、こうして両方の立場を際立たせることで「それでどっちの側に立つ?」と監督に聞かれているような気がした。
やしま

やしまの感想・評価

3.6
睡魔に負けた。劇場で初めて寝てしまった。ちゃんと見直したい。山田孝之に似てたね。