サム太郎

名もなき野良犬の輪舞のサム太郎のレビュー・感想・評価

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)
4.5
みなさんは人が恋に落ちる瞬間の音って聞いたことありますか?この映画におけるそれは、人間が人間の顔面をグーで思いっきり殴ったときの音です いやだってこれを恋と呼ばずに何を恋と呼ぶんだよ 2人の関係は「お前は痣まできれいだ」のセリフやネクタイのシーン、所持品検査のシーンからも明らかだと思う、「ベイビー、お待たせ!」は確実に恋の最大瞬間風速ですよね 舞台が刑務所でも裏社会の権力抗争の真っ只中でも2人一緒なら世界は無限に鮮やかに輝きを放つ 画面キラキラのフワフワだったもんね ふざけて何枚もセルフィー撮っちゃうし、夜の砂浜で花火だってしちゃう 恥ずかしくなるくらいの青春ど真ん中、それでも「誰も信じられない男」と「誰かを信じてみたかった男」の行き着く先はやっぱり破滅だった ヒョンスはジェホがどこで生まれどんな人生を送ってきたか知らない、彼が語った彼の人生はきっとどうせほとんど嘘だから でもヒョンスは彼の最後の呼吸を知っている、なぜならヒョンスが奪ったから、文字通り自らの手で。2人はどこで間違ったんだろうと考えて、最初から全部間違っていた、とも、いや違うむしろ全部正しかった、とも思った えっ…ヤダーーー!(癇癪)まったくうまく消化しきれてないので2回目見たいのだけど厳しい 厳しいよ…なので代わりに2人が、2人のことを誰も知らないどこか遠い場所で仲良く陽気な生活を送っている想像とかを無限にしている…南のどこか暖かい国のビーチで瓶ビール片手にバカンス、北のどこか寒い国でたくさん厚着して犬橇に乗ってオーロラをバックにゴープロでセルフィー撮影…
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