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名もなき野良犬の輪舞のkazu1961のレビュー・感想・評価

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)
4.0
「名もなき野良犬の輪舞」
原題「The Merciless」
2018/5/5公開 韓国作品 2018-212

こんな男臭いノワール作品は今の日本ではなかなかないですね。
ソル・ギョングとイム・シワンが真正面からぶつかり合う、ハードなフィルム・ノワールの本作は、2人の熱演のほかにも見どころが多く、かなりスタイリッシュな作品となっています。
ミステリー要素も随所に挟みながら、異質な存在であるジェホとヒョンスが結びつき、さらには破綻するまでがスタイリッシュな映像で描かれていきますね。
特にソル・ギョングの熱演、ソル・ギョングが演じるジェホはつかみどころがありません。残虐かと思うと心優しく、大胆かと思うと小心で、複雑な人物像を見事に演じています。
あと、オープニングのシーンも秀逸ですね。いきなり一人が射殺されるんですが、殺された男が「妻子持ちの潜入捜査官」だったことが後でわかり、そこで語られた「人の殺し方」がクライマックスの「ヒョンスがジェホを窒息死させること」の意味を暗示していること、そして直後のタイトルの出方もラストと呼応しているなど、多くの伏線が張られており素晴らしいですね。
とても面白い韓国ノワールです!!

韓国の演技派ソル・ギョングの主演で、家族や兄弟のように固く結ばれた2人の犯罪者の絆が、ある真実によって次第に悲しみと憎しみに変わっていくさまを描いたクライムドラマ。ソル・ギョングがジェホ役を務め、「戦場のメロディ」「弁護人」などで俳優としても活躍するアイドルグループ「ZE:A」のイム・シワンが、ヒョンスを演じる。監督は「マイPSパートナー」のビョン・ソンヒョン。2017年の第70回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門で上映され、韓国国内の映画賞も多数受賞している。
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