あんがすざろっく

すばらしき映画音楽たちのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)
4.5
劇場で観たかったけど、結局観れなかった本作を、やっとDVDで鑑賞。
こういうのを至福の時って言うんでしょうね〜。

自分の中学時代から20代前半にかけては、もうスピルバーグ全盛期です。
スピルバーグと言われてすぐに思い浮かべるのは、僕にはジョン・ウィリアムズです。
と言うより、映画ファン、いや、恐らく世界中の人々の中で、ジョン・ウィリアムズの音楽に少しも触れたことがない人は(音楽が聴ける環境の人ならば)、ごく僅かではないでしょうか。
うちの奥様はそんなに映画や音楽に執着するタイプではありませんが、その奥様だって、曲名は知らずとも、ジョン・ウィリアムズの音楽は知ってます。
彼の音楽は、もう映画音楽という枠を完全に越えてますもんね。
うちの子供がレイダースのマーチを口ずさんでるのを聞いて嬉しかったですね〜。
やっぱりジョン・ウィリアムズは凄いですよ。
映画音楽を語る上では、やはり彼のスコアは避けられない。

インタビューばかりのドキュメンタリーだと、これは途中で眠くなったかも知れませんが、何せ様々な名場面と名曲を、一本の作品で沢山聴けるんですから、こんな贅沢な話ありません。

MTV世代以降、映画のサントラは豪華アーティストをコンパイルした、それ一枚で普通にオムニバスアルバムとして聴ける作品が増えました。
ロック大好き人間の僕には、それはそれで嬉しい限りなんですが、それでもスコアも大好きです。だって、オムニバスサントラは当時の流行や、人気アーティストを揃えてますけど、スコアのサントラは流行なんて関係ないんですから。ずっと聴き続けられるでしょう。僕が初めて買ったCDも、インディ・ジョーンズ最期の聖戦でした。

作品の冒頭、ロッキーのテーマが
流れますが、それだけで胸が熱くなるんですよ。
ロッキーを通して見ていないにも関わらず、ですよ?
帝国のマーチ、ミッション・インポッシブルのテーマ、ターミネーターのテーマ、もはやアイコンですよ。
何の作品か知らない人でも、一度は聴いたことがあるだろうし、フレーズを口ずさむだけで、わっ、なんか嫌な予感がする‼︎とか、ワクワクしてきたりしますよね。

作品で取り上げられているのは、最近の作曲家が多いのは当然なんですが、僕はバーンスタインやアラン・シルヴェストリにも触れて欲しかったですね。欲深くなり過ぎですかね(笑)。
モリコーネはインタビューがあまり好きな方ではないし、シャイな方だから、あれが限界だったかも知れませんが、彼を本格的に取り上げたら、こんな上映時間じゃ済まなかったでしょうね〜。

しかし、大好きなハンス・ジマーをあれだけ時間を割いて取り上げてくれたのは嬉しかった。ロックの感覚をオーケストラに取り入れ、観ている人の気持ちを鼓舞するスコアが多いですけど、最近は様々な方向の作品も手掛けられていて、一聴しても彼のスコアだと分からないことがあります。
ジャンルや作風は違いますけど、いずれジョン・ウィリアムズの地位を継ぐのは彼かも知れない。

ダニー・エルフマンは、もっと貫禄のある人だと思っていましたが、意外や細身でしたね。でも確かに、ティム・バートンとは仲良くなれそうな雰囲気の人(笑)。

ゴッドファーザー、007、大脱走、ニューシネマ・パラダイス…数え上げたらキリがない程、映画には大好きなテーマ曲がたくさんあります。
作品だけに限らず、20世紀FOXファンファーレもずっと聴き続けてきましたから、忘れられないです(あまり関係ないですが、金曜ロードショーのオープニングも好きでした。懐かしい…)。
これからも、映画を支え続ける名曲の誕生が楽しみです。
映画が本当に大好きな人に見て頂きたい作品です。

作品の最後、僕がウィリアムズ、ジマーと並んで大好きだったジェームズ・ホーナーを、ジェームズ・キャメロンのコメントと共に追悼してくれていました。泣けます。ブレイブハート、タイタニック、アポロ13、フィールド・オブ・ドリームス…。壮大で美しいスコアを書かれる方でした。彼の音楽は、後世まで語り継がれますね。
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