ずけし67

すばらしき映画音楽たちのずけし67のレビュー・感想・評価

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)
4.5
やっぱり近所(=ド田舎)のTSUTAYAにゃ置いてない...
なので得意のお取り寄せサービス使って借りてきましたよ。

本作は映画音楽に焦点を当てたドキュメンタリーなので、いつもとは趣向を変えて、自分の映画音楽にまつわる体験を交えて、思うことをツラツラと書いてみようと思います。

" 映画音楽 " と初めて出会ったのは小学生の頃、それは我が家にレコードプレーヤー(注:CDコンポではないww)がやってきた日です。
あの日、兄達とお小遣いを出し合って初めて買ったレコードが忘れもしない『映画音楽大全集』でした。
「スターウォーズ」や「ジョーズ」「ゴッドファーザー」など、今思えば歴史に名を刻むこととなる名曲がぎっしり詰まった1枚で、中でも僕は「スターウォーズ」が大好きで、当時、外でクワガタ採りや魚釣りなどをして遊ぶときもあのテーマを鼻歌に歌い、家に帰ると文字通りレコードが擦り切れるくらい繰り返し聴いてはトリハダを立ておりました。

そんな小学生時代を過ごした後、中学では友達に誘われて何となく入部しちゃった吹奏楽部にて、思いがけず「セッション」のフレッチャーばりの超スパルタ顧問と出会い、その鬼のシゴキに耐えながら明けても暮れてもトランペットを吹く日々を過ごすことになるのですが、
(この頃の壮絶を極める狂気の部活事情は「セッション」のレビューに書き綴ってあるので、興味のある方はそちらをご覧ください)
なんと中学2年の定期演奏会で、小学生時代聴き狂っていた「スターウォーズ」と再会することになるのです。
しかも今度は聴く側ではなく奏でる側として!
演奏会のプログラム品目に「スターウォーズ」が名を連ねているのを目にしたときのあの衝撃と感動といったらありませんでした。
僕たちは「スターウォーズ」を演奏するんだぞ!
その日の部活終わった夕暮れの帰り道、あまりの嬉しさに部活の仲間たちと一緒に " タタタ!ターン!ターン!~♪ " と周囲の目もはばからず、皆で大声であのテーマを口ずさみながら帰ったことをよく覚えています。(←まさに厨二病)

ちなみに当時、映画音楽の楽曲では「スターウォーズ」の他に「スーパーマン」や「レイダース」などもやりましたが(全部ジョン・ウィリアムスだな!? 先生、ジョン・ウィリアムスのファンだったのかな?)、どれも大好きでした。
そうなんですよ、正直、鬼顧問の狂気のシゴキのおかげで練習は死ぬほど辛かったのですが、そんな中でも映画音楽の楽曲を演奏するのは本当に楽しかった。

思うに、吹奏楽部の演奏会で扱う楽曲の多くは、クラシカルな交響曲だったり、吹奏楽用に作曲された近代音楽だったりで、決して大衆向けとは言えないものが多いわけで、でも「スターウォーズ」などの映画音楽は、まず皆が良く知っているということ、そしてやっぱりその音楽を聴くことで映画で観たシーンやそのときの感動が再び呼び起こされる、だからより興奮するし盛り上がる!
そういうことなのではないかと。
実際、観客の皆さんの反応が明らかに違うと肌で感じていたし、もちろん演奏している自分もそうだった。
聴く側も奏でる側もアガる!
これが映画音楽の凄さなんですよね。
当時よく分からないながらも感じていたことが、本作を観ることではっきりと認識できたように思います。

映像と音楽、映画監督と音楽を担当する音楽家、彼らが一体となって一つの映画作品を作り上げ、そうして出来上がった作品が人々に訴えかけ、強いインパクトや深い感動を与える。
映画作品において重要な役割を果たす映画音楽、本当に素晴らしいな、そして一つの作品を作り上げるために互いに情熱を注ぎ合って取り組む人と人とのつながり、そういう絆から生まれる創造って本当に素晴らしいなと、本作はそんなことを感じさせてくれるドキュメンタリーでした。

とりわけ、エンドロールに挿入された「タイタニック」における、監督ジェームス・キャメロンx音楽ジェームス・ホーナーの2人のエピソードには、ジワリ込み上げるものがあり、感動で胸が熱くなりました。
いやー、ジェームス・キャメロンって、スゲーいいヤツだったんですね!
(← 一体どんな悪党だと思ってたんだ?)

ということで、映画音楽って本当に素晴らしい!と思える、お取り寄せしてでも観る価値のあるドキュメンタリーでした。
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