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すばらしき映画音楽たちのKのレビュー・感想・評価

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)
4.1
映画音楽に情熱を注いできた、注ぎ続けてる作曲家達に焦点を当てた素晴らしいドキュメンタリー映画です。

感情の潤滑剤とはよく言ったもので、映像だけでは感じ切れない情緒を、音楽が底上げしてくれます。
映画内で誰かが言っていましたが「監督ですら、そのシーンの情緒を表現する事が難しい場合がある。だから音楽家が時にセラピストとなって適切な音楽を探し出す」と。
そうして音楽が映画の出来を左右していくんですね。

また、心理学の研究によると観客の視線を導くのも映画音楽の仕事なのだとか。これは初耳でしたが、音楽によって観客達の視線がそのシーンの何処に寄っていくかを導いているというのは面白いですね。

ジョン・ウィリアムズ、ハンス・ジマー、ダニー・エルフマン、トーマスニューマン位しか画面内で知ってる人が居ませんでしたが、
それでもロードオブザリングのテーマ(ハワードショア)のテーマが流れたり、ソーシャルネットワーク(トレント・レズナーとアッティカス・ロス)の音楽が流れればテンションが上がります。
ダークナイトとか、ロッキーとか、E.T.なんかは言わずもがなですが
映像内で作曲家達が音に拘るシーンと、映画の発展によるその時代、世代の転換期など、見所が多い大変良いドキュメンタリー映画でした。

個人的にはジョン・ウィリアムズの音楽について「必ずBパートがある」とかハンス・ジマーについて「オーケストラと電子音楽の境目を消した」とか、見ていて(そうそうそれそれ!)と楽しくなりました。

「音楽は触れる事が出来ない唯一の芸術」
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