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水戸黄門Zのdm10foreverのレビュー・感想・評価

水戸黄門Z(2016年製作の映画)
3.6
【Ko Ko Ko Ko KOMON!】

以前、フォローさせていただいているnanaさんから紹介していただいた作品。
観よう、観ようと思いながらタイミングが合わず・・・で、ようやく鑑賞できました。

どことなく箱庭感の漂うショートムービーらしい「ゆる~い」水戸黄門。
なんだけど、一応キチンと「水戸黄門」に求められるタイムライン(特に「20時45分のカタルシス」)は踏襲されていて、緩い中にも安心感のようなものを感じてしまう不思議な作品。

世直しのための諸国漫遊のご一行→親の借金に苦しむ町娘と出会う→越後屋の仕業らしい→由美かおるポジションのお風呂タイム→黒幕は悪代官と判明→町娘がピンチ→「む、何奴!?もの共!出あえ、出あえ~!」→助さん格さんの無双タイム→それでも往生際の悪い悪党ども→『控えおろ~!この紋所が目に入らぬくぁ!(ピッカ~!)』→「(一同)ははぁ~」っていう。

うちのじいちゃんも好きでよく観てたな~・・・あ、こっちじゃなくて「本家」のほうね(笑)
まだ小さかった僕はじいちゃんの膝の上で一緒に観てたけど、子供心に残ったのは「毎週繰り返されるデジャヴのような展開」と、その法則の中に見つけた「由美かおる様への淡い恋心」。

で、うちのじいちゃんに限らず、水戸黄門を欠かさず見ていた人ってやっぱり結構居たと思うんです。
もちろん高齢の方が多かったかも知れないけど、若い人でも好きな人はいる(いた)と思う。

やっぱり歌舞伎にも見られるように、日本人のDNAにもインプットされている「勧善懲悪」という要素は必要なんだろうね。それも定期的な摂取が必要なレベルで。

今作に関してはそれほど潤沢な資金があるようなものでもなかったんだろうし、俳優さんだってそれほど有名な方が出ているわけでもない。そういった意味ではスケールは「ショートフィルムのそれ」レベルであることは否めない。
そこに「ミュージカル」的な要素だったり、黄門無双タイムがあったりと、いい意味で遊び心があったように感じた。
そして本家を観た事がある、ないに関わらず「水戸黄門ってこうだよね」っていう「暗黙の了解」をキチンとなぞっているので、恐らくタイトルをつけなくてもこれが水戸黄門のパロディだって誰もが分かる。

そういう「誰もが知る箱庭」の中でやってる水戸黄門って感じが適度に面白かった。
多少ふざけて脱線しても、あくまでも「水戸黄門」っていうフィールドの中だから許されるという。

まぁ、演技云々はね・・。
それもひっくるめて「緩い」ではあるんだけど、そういうのもショートの良さかな~って思う。
変に期待せずに観れるっていう。
だから、予期せぬところで笑っちゃったりもするし。

クライマックスで、助さん格さんでも歯が立たない敵の用心棒の前に立ちはだかる黄門ちゃま。

(私が相手になろう・・・)

都市伝説爆誕の瞬間です。
黄門ちゃま=イップマンでした(笑)
パチンコなら確変確定のプレミア演出です。
そしてその流れのまま自己紹介(?)の「♪仮の姿に身を隠しぃ!Yeah!」っていうラップと同時にゴールドに輝きだす黄門ちゃま。
曲を聞きながら、もう10連チャンしてるくらいの余韻。

いいじゃない。
こういうノリって嫌いじゃないです。


って、べた褒めするほどのクオリティではないですよ、予め(笑)。

ちょっと疲れたな~って時に頭を使わずに観るには丁度いい作品だと思います。
なんせ「水戸黄門」ですから。
予備知識も要らんしね。
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