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ジョンベネ殺害事件の謎のtmcてむしーのレビュー・感想・評価

ジョンベネ殺害事件の謎(2017年製作の映画)
1.8
勝手に(映画上での)結末があるのかと思った。


ストーリー
アメリカ・コロラド州で実際に起きた未解決事件「ジョンベネ殺害事件」について
映画の制作がなされることになり、様々な人がオーディションを受けにくる。
そして、自身の考えと身の上話を混ぜながらジョンベネ殺害事件について語り出す。
オーディションを進行する様子を撮影しながら進むドキュメンタリー映画。


「ジョンベネ殺害事件」に馴染みのない私が見ても意味がなかったなと思う映画だった。
海外では概ね好評な映画だそうだが、私には全くと言って良いほど見所がわからなかった。
登場人物たちが緩やかに事件について考察するという演出は嫌いではないのでこの点数をつけたが、正直にいえば「ジョンベネ殺害事件に対して何か大きな感情的揺らぎがある人が見る映画」だと感じた。

ただ、ジョンベネ殺害事件について、痛ましい未解決事件であることは間違いなく
この映画がジョンベネのことを人々に思い出させたのも間違いない。

映画内では
・母親パッツィー犯人説
>元ミス・ウェストバージニアの自分が成し遂げられなかったミス・アメリカに手が届きそうな娘を妬んだ
>ジョンとジョンベネが肉体関係にあったので、ジョンを殴ろうとしたがジョンベネに当たり誤って死亡させてしまった
>ジョンベネの夜尿症に参っていた

・父親ジョン犯人説
>酔っ払うと凶暴になる人もいる
>言うことをきかない娘が疎ましくなった
>性的虐待の際に誤って殺してしまった

・兄バーク犯人説
>遊んでいて、自宅の螺旋階段から落としてしまった
>注目される妹が気に食わなかった

・外部犯の犯行説
(タイで逮捕された米国人教師)
(サンタクロースに扮した男)
>どちらも性的虐待

など様々な説が憶測で語られる。
が、どれもあくまで憶測であり、実際の捜査状況と合わせると辻褄が合わない点も多い。
(と言っても証拠が無いので、捜査状況も状況証拠の積み重ねである)


せっかくなので、ジョンベネ殺人事件について調べ、置いておく。

1996年12月26日(午前)
ジョンベネ・パトリシア・ラムジーという6歳の少女が誘拐される。
誘拐に気づいたのは母親のパトリシア(パッツィー)・ラムジーで、家の階段には脅迫状と見られる3枚の手紙が発見された。
ラムジー家のペンと紙を使って書かれた脅迫状は、父親ジョン・ラムジーの冬のボーナスの額とぴったり同じ身代金を要求するものだった。
(そのため、ごく身内による犯行だろうと思われた)

その日の午後、ジョンベネは遺体で発見された。
発見場所は自宅の地下室であり、発見者は自宅を捜索していた州の捜査官だった。
検死の結果、ジョンベネは頭部を強く殴打されたために死亡したと見られるが
性的虐待の跡、首には紐で縛った跡、長い時間抵抗した跡などが見られ、手にはハートマークが描かれていた。

この捜査は、担当した警察官の初歩的なミス(現状維持がなされなかった)のために証拠が破壊され、解決に至らなかった。
警察は発見場所や身代金の額などから、一家の誰かが犯人だろうと考えた。
世間では様々な憶測が飛び交い、父親・母親・当時9歳の兄バークも容疑者となった。

数年後、DNA鑑定の結果ラムジー家の面々は容疑者ではないとされたが、前述したように初動捜査の際の初歩的なミス(=証拠の破壊)があることから
DNA鑑定の結果がラムジー家の無罪を証明することにはならないという声も多く、現在では兄の犯行説が有力視されている。
兄は徹底的に捜査拒否しているため、今後捜査が進む見込みはないだろう。
また、母パッツィーは卵巣癌により死亡している。

2016年にグーグルのメールにポルノ映像をアップロードした男が逮捕され、この男がジョンベネ殺害事件の犯人とも言われている。
(証拠なし)