松浦義英

パーフェクトワールド 君といる奇跡の松浦義英のレビュー・感想・評価

1.0
終わってる。

ドラマ版もとてつもなく酷い出来だったけど、最終回まで待って観た映画版はそれ以上の酷い出来でした。

まずキャストの演技の薄さよ。
ドラマ版のキャストが「ええやんけ…」ってなるなんてな…。

肢体不自由当事者としてのイチ考えは
(映画版の尺だと余計に)
障害者である必要性を感じなかった。
に尽きる。
これは『聲の形』でも同じ。

苦労を全く描いてないから、ドラマ版がマシに見えるというパラドックス。

この映画を観た後失望からか何故か
「バリアフリー」について思いを巡らせた。
『もしかして単なる一つのキャラクターとして登場させることで、バリアフリーを体現してるのか?』
ってひねくれた思考で考えてみたりした。

でもそれなら和解やハッピーエンドみたいなポジティブな終わりになるのは何故かと考えた。
障害者をただ一つのアイコンとして描いているならなぜハッピーに終わらせるものが多い?
…不幸な境遇なんだから、ハッピーになってほしいからかもしれない。
不幸、ってどこ視点?何視点?

勝手に(自分と、健常者と比べて)ハッピーじゃないと決めつけてるからそういう描き方なんじゃないか?
それならハッピーエンドにしたがるのは理解出来るし、
そういうものを作る以上は本人を見ず「障害者」って括りで見る人が多いんだなと思うし、
それならやっぱり「バリアフリー」なんかではなくて

障害者=かわいそう、悲しい、自分たちとは違う世界の人
→だから希望を持てるような、強いように映る作品を作ろう。
あの人達は自分とは異なる世界で頑張っている凄い人。

つてなるのかな。

それなら(一般的に)幻想に見えるような
健常者と障害者の恋愛なんてあり得ないんだから(あり得るけど)
描く意味がわからないし、そこに利権バリバリの音楽を持ってくる時点でもうね、みたいな。

「同じ目線だね」
ってシーンは良かったですよ。
むしろなんであんなわかりやすいメッセージドラマはカットしたのか…。
松浦義英

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