Iri17

ドグラ・マグラのIri17のレビュー・感想・評価

ドグラ・マグラ(1988年製作の映画)
3.5
夢野久作の怪作を映画化したものだが、原作が日本三大奇書とか、読破したものは必ず狂うと言われているほどのイカれた小説なので、映画化なんか無理だろって思ってた。でも思ったより頑張ってたし、これは合格点だと思う。

原作の大ファンなので、原作、漫画版2つも読んだが、原作を読んでの僕の解釈と漫画版2つともの解釈がそれぞれ違っていた。この映画版はまた違うのだが、漫画版の1つと違って、映画版はありとあらゆる解釈が可能なように作られているし、原作の重要な点を削り過ぎずに上手く1時間半にまとめている。

なによりも素晴らしい点は原作の不気味で奇妙で難解でシニカルな独自の雰囲気をちゃんと醸し出している点だ。監督の演出が本当に素晴らしく、タルコフスキーが監督したかのようである。

桂枝雀の演技がとても素晴らしく、落語家を起用した事が非常に上手く活かされているセリフと演出だった。
Iri17

Iri17