tetsu

ビッグのtetsuのレビュー・感想・評価

ビッグ(1988年製作の映画)
5.0
最近、修士の卒業論文作成に打ち込んでいる僕の兄が、『大人になったからこそ、「子供の頃」の純粋無垢な気持ちを取り戻すことが大事!』
ということに気づいたらしく、それならこれ!と僕がオススメして、共に観賞。

小学生の主人公"ジョッシュ"
彼は、身長の低さが理由で、ジェットコースターに乗れず、片思いしていた女の子の前で恥をかいてしまう。
帰り道、突然現れた"願いを叶える謎のマシン"に「大人になりたい」と半信半疑お願いした"ジョッシュ"は、
なんと翌朝、本当に大人になっていた!!

見所は、
まるでアンジャッシュさんのネタのような、子供と大人の噛み合わない会話の愉快さであったり、ガンダムの絵柄の服装、ゴジラを彷彿とさせるオモチャといった日本文化が微妙に反映されているところでしょうか。
また、主人公が大人になるまでの導入が早く、内容が濃いので、とても見易い作品ですし、
ご都合主義ではあるものの、そこに悪意はなく、この頃のトム・ハンクスさんしか出来ない名演が素晴らしいので、そこには、是非、注目していただきたいですね!

思い起こせば、
昔、母にオススメの映画を聞いたときに教えてくれて、一緒に観た覚えがある本作。
その時の幼かった自分には戻れないので、
母と一緒にまっさらな気持ちで映画を観ることは、もう出来ませんが、
今の自分には、成長した今の自分なりの見え方があるので、それはそれで良いのかもしれませんね。笑

ちなみに、この作品の中でも、
そんなメッセージは込められていたと思います。
最初こそ、大人の"くたびれた世界"で、純粋無垢を貫く少年"ジョッシュ"でしたが、彼は大人の社会を生きていく中で、いつの間にか、大切な"純粋さ"を忘れていきます。
しかし、この作品が面白いのは、その後、ある大人のキャラクターが、主人公に「子供に戻りたい?」と聞かれるシーン。
その回答が秀逸で、
大人であることも、子供であることもどちらも大切なんだ、
ということを暗に教えてくれた気がします。

最後に、
この作品で最も有名な巨大ピアノの演奏シーンについても語らせてください!
子供の頃、初めて観た頃は、ただ単に楽しいシーンだなと思ってみていたこのシーン、
今回改めて観てみると、なんだかウルっときちゃいました...。
あのシーンは、大人の世界に染まった社長が、子供の頃の"純粋"な気持ちを思い出す大切なシーンだったんですね...。
楽しいけど、どことなく切ないノスタルジックなメロディには、今の自分だからこそグッとくるものがありました...。

というわけで、
大人になって子供の頃の気持ちを忘れてしまった人や、仕事などの厳しい現実に疲れている大人のみなさん、
そして、休日、親子で何を観ようか迷っている方々に、是非観ていただきたい愉快な名作でした!!

P.S
子供の頃の気持ちを取り戻すという意味では、
今年公開された日本映画「はらはらなのか」も名作だったので、観賞後に是非!
tetsu

tetsu