Lalka

フィーバー・ルームのLalkaのレビュー・感想・評価

フィーバー・ルーム(2016年製作の映画)
4.2
映画以上に舞台というものの知識がない。演劇ではないのねという状態の中で鑑賞してのレビューとなります。作品についての予備知識もなく、映画ではないのだろうと思い鑑賞するか迷ったのが事実。気づけば空席のある回が減ってきている。「行ってきなよ」と言われ予約したのでした。

暗闇の中で床に座ってまず思う。これは演出なんだろうな。例えば70年代のアングラ演劇で寺山が前衛的なことをやっていたらしいのは知っている。観客も参加するような、或いは野外劇のようなそういったものがあったのだから会場自体を演出するのは自然なことだろう。

本編が始まるとアピチャッポンの映画じゃん。と、思いつつ、複数面になれば(映画史的には『ナポレオン』か)、オービィ横浜のシアター23.4を思い出す。映像が洞窟に移れば「あっ、パラワンで行ったタボン洞穴も船(ど田舎だしボートだったけど)で行ったなあ」とか勝手に思うのです。幕が上がったとかなのか後半は圧倒される。YouTubeで観た近年のToolのライブ映像を思い出した。

上演するのに適した劇場と装置があれば鑑賞できる。ということを考えると再現性が高いし、限りなく映画に近いと捉えていいのだと思う。

あっ、クレジットが右なのはよしてくれよと思った。前方の右寄りに座ってたんだもん疲れたよ(笑)アピチャッポンの映像感覚とインスタレーションの空間演出の相性の良さというものを実感したのでした。
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