あきしげ

オブジェクトのあきしげのレビュー・感想・評価

オブジェクト(2014年製作の映画)
1.5
ヒューマンドラマに場違いなモンスターが登場。

良かった点。

・ケヴィン・デュランドの哀愁
・ハッピーエンドではない結末

悪かった点。

・モンスターの存在意義
・モンスターの雑な設定
・盛り上がりがほぼない

モンスター・パニック映画という触れ込み。
実際はヒューマンドラマが半分の要素です。

ただ、モンスターとドラマの意味合いはない。
この二つは完全に別々の要素で関係性が皆無。

だからチグハグな展開になっている。
主人公のドラマとモンスターの出現。
本来なら関わりのなる要素にすべき。
それなのに関係ない要素をぶち込む。

そうなってくると物語の後半が苦しくなる。
関係ないエピソードの同時進行は微妙です。
実際に関係性があるなら効果的な演出です。
しかし、本作では関係ないから浮いている。

主人公はトラウマを抱えているがすぐに分からない。
かなり引っ張っているけど結局ハッキリ言いません。
だからずっとモヤモヤした気持ちでみる状態となる。

次にモンスターの設定もかなり曖昧です。
地元民が昔話のモンスターを口にします。
それがモンスターの正体に繋がるのです。
あまりにもザックリした設定すぎる雑さ。

結果として、ドラマとモンスターも宙に浮いた状態。
最後の教会で迎え撃つシーンは必然性を帯びている。
バラバラの要素を単純にまとめるという稚拙な結末。
それでも監督は悪あがきで絶望感を結末に残します。

このように本作はやっちゃいけない演出をやった。
主人公のドラマと町を襲うモンスターの無関係性。
逆に関係性があればもっと盛り上がったはずです。
完全に製作陣の思惑が裏目に出てしまったと思う。

ただ、ケヴィン・デュランドの演技力に磨きがかかっていました。
あきしげ

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