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女と男の観覧車のskipのレビュー・感想・評価

女と男の観覧車(2017年製作の映画)
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50年代コニーアイランドが良い。音楽と色彩とその変化は手馴れたもので、舞台だけが変化しているというチープな思いに溜め息をつくこともあるにはあるが、例え擦り切れたものを並べていたとしても、上品なものには心踊るし、実際はっきりとしすぎる色の変化は容易に美しいひとときを演出している。思想哲学をマシンガントークに乗せようが乗せまいがそれは回っている映画を左右することはない些事でしかないし、または長回しの迫力に乗り切れていない私だとしても、つかの間の余韻に浸ることは幸せに足り得るとここに書きたい。再びの傑作を待ち望むもスキャンダルに消えて行く、そんなスクリーンの外の評価など、映画中とはもはや言えずとも、いくつかのカットや画面の間くらいはしばし忘れて、美しさに酔いしれる。映画館の中を訪れる理由としては私にとっては十分すぎる作品だ。
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