幕埜リア

女と男の観覧車の幕埜リアのレビュー・感想・評価

女と男の観覧車(2017年製作の映画)
4.4
OASISで一番好きな曲は「WONDER WALL」
難解そうでおそらくあまり意味のない歌詞とサビの歌唱のグルグル感。
人生の無常感と微かな希望が、ミドルテンポで雑味のないコード進行に合った名曲だと思う。

原題「WONDER WHEEL」
回れど回れど同じ軌道からは逃れられない。
上に行けば遠くを見渡す事は出来るが、やがて足元しか見えなくなる。
頂点に達した瞬間に何か起きるのではないか、一定のスピードに思わぬ変化が起きるのではないか、この扉を開け放てばとんでもない事が起こるのではないか。
閉ざされた空間から、外の風景を観覧することは自由だが、何かが起きることは決して無い。

ウッディ・アレン80歳。
フラクタクルで無表情な視点と古典劇の品質の高さと老獪さに驚く。
撮影監督は先日見たダリオ・アルジェントのデビュー作「歓喜の毒牙」で世に出た名人ストラーロと知り、劇中の陰影と色彩が見事なカメラワークに得心。

さて、ウッディ・アレンの次作。
昨今のハリウッドのセクハラ問題の余波に巻き込まれてアメリカでも公開が未定らしい。
エル・ファニング他、気になるキャスト多数。
一日も早く公開目処が立って次の作品に向かえるよう祈りたい。



未だに「タイタニック」を見たことが無い私。
ケイト・ウィンスレットを意識して見た事もなく、昭和の大女優を今更ながら知るような新鮮さで、長回しでのアル中女の一人上手は圧巻。

ジャスティン・ティンバーレイクは「インサイド・ルーウィン・デービス」以来の当たり役か。

もっともドキッとしたのはエンディングの旦那。
どうにもならん状況に背を向けて
「釣り行くんやけどどうする?」
このお気楽な気遣い風味。
覚えあるわ〜

書こうと思えばいくらでも。
筆が尽きることない不思議。
名作とは言い難いが、人生の機微が詰まった作品。
ウッディ・アレンの新作をスクリーンで観る喜びを味わっておくべきだと思う。

2018劇場鑑賞61本目