人疲れしてる時に観るとより一層疲れる…いつもの人の醜さを抉るスタイルのヤツです。
ウディ・アレンは理性で動けない人間描くの上手すぎと改めて。
どうしようもないストーリーに相反してこの作品内はレトロカラフルでめちゃくちゃ可愛く彩られてる。
そして穏やかじゃないライティングが彼等の感情と実情の違和感を表しているようで終始なんだか落ち着かない。最後のはthe 妥協って感じで。
めちゃくちゃ面白いストーリーだけど出てる奴みんな嫌いな人種だ。基本的に自分の幸せを他人に委ねてるあたり…50年代っていう今よりも世間体に縛られ選択肢の少なかったであろう時代の閉塞感が余計に彼らを他力本願にさせてる。独りだと本格的に詰むから妥協してコイツと一緒にいよう、みたいな。生き地獄。
でも微かすぎる光に期待しすぎたジニーを真っ向から批判できない。客観視すると醜いのだけど、勝手に他人に期待して自分の思い通りにならなかった苛立ちをきっと多くの人が感じたことがあるからジニーに味方してしまう。
自分の願望を余所に期待することほど自分を狂わせることはないからやっぱり自分の力で何とかしよう、という教訓を改めて得た。
キャロライン、とびきりの美人でもない雰囲気美人だから余計に苛ついたな。
誰もが諦めたくなる美人を持ってこないあたりが実にイヤらしい。