バス行っちゃった

悪女/AKUJOのバス行っちゃったのネタバレレビュー・内容・結末

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

映像が主観的になっていくほど主人公の人間味が消えていって戦闘能力が高っていくのが面白い。
最後の戦闘でも主観的になっていったが、最初の戦闘のようなハードコア的なfps視点にはなっていないところに彼女のこの話の中で培ってきた人間性が感じられて、これまた唸る。
最後の一振りをさせたのもその人間的な情ゆえだったりして、その果てにあの笑い声があれなのかと思うと、えげつなくて愛おしい。
客観的な映像で描かれる任務の部分では必ずどこかでミスをするので、プロフェッショナル的なものとして期待すると肩透かしを食ったような気になってしまうが、むしろそこが「この人本来はこっち側の人じゃないんだなあ」と思え、なるほどそういう人だからこそ常に情の部分で右往左往するのがよく似合っていたように思う。

ただ、戦闘シーン自体も見せ方が色々と考えられていてよかったのだけれども、女性であることを戦闘能力の高さにまで昇華していたアトミック・ブロンド以後の戦闘としてはやや物足りないというか、女の姿をしているアジョシのような感覚が自分の中で拭えなかったので少しだけ残念。