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悪女/AKUJOのrollinのレビュー・感想・評価

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
4.1
どちらかと言うと中島みゆき寄りな悪女による韓国版キルビル。

(個人の印象として)某ハードコア映画では全く映画的機能を果たしていなかったFPSアクションの名誉を、これほど短いインターバルで挽回させただけでも大変意義のある映画。


本作に於けるFPS演出の優れた点は、スターと接触したマリオの如き冒頭の無双タイムにのみその効果を限定したこと。
神の威を借りた殺戮者の顔面は、彼女の生命の危機に際して初めて露呈する。つまり観客が感情移入し得るポイントで、ちゃんと映画自身も自我を取り戻すのでがんす。(もしくは殺られ役たちの間抜けな表情を観ていられる限界とも言える。)

アクションの撮影が難しい狭いロケーションでは、一人称視点を小刻みに挟むことによって、実際は一人でナイフを振り回しているだけやのに二人で戦ってるように見せるという、おバカなのか賢こなのかよう分からん演出にも感心しました。

ストーリーはほんまにベッタベタ。自分が主人公やったら、終盤の事実開示のコンボには敢えて「なんて日だ!」ってめちゃデカイ声で叫ぶわ。もっと独自のフェチ感、おっさん成分が欲しいところ。シン・ハギュンはええ顔。
しかし、クライマックスのバス車内に於ける演出は、自ら定義した狭所アクション撮影の不可能性を突破していく爽快感があり、しかもそれは主人公自身の物語ともリンクしていて大変よござんした。

ただそれをもってしてもオールドボーイの横スクロールアクションを超える感動には至らず。最後もそこはやはり五点掌爆心拳で締めていただきたかった。