恭介

悪女/AKUJOの恭介のレビュー・感想・評価

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
3.3
韓国ムービーのお家芸である、有無を言わせぬ怒涛の勢いで突っ走るアクション映画。

新感染を観た時にも思ったが、この手の作品を生み出せる土壌と力技を持ち合わせている韓国映画界が素直に羨ましい。

もちろん既視感のある設定やアクションシーンは見られるが、画面からエンターティナーとしての気概が感じられる。

ニキータやキル・ビル、キックアス、アトミック・ブロンドなど見事に女性が活躍するアクションムービーから厳選して、オイシイ設定やシーンを頂戴しているが、臆することなく開き直りにも似た潔さを感じられるので嫌味にはなっていない。

ただ、話題になっているオープニングの長回し風主観映像のアクションシーン。これは完全に好みの問題だが、どうもゲーム画面を観ているようで個人的にはアガらなかった。同じように狭い通路での皆殺しシーンなら、やはりヒットガールの動きをちゃんと捉えた絵面のキックアスの方が断然燃える。やったるでっ!という勢いは感じられるが、どうも画面から主人公不在のアクションシーンは肌に合わないらしい(笑)

あと、かなり場面の切り返しの編集に拘りがあるようで、アクションシーンでも極力ワンカット撮りに魅せる為の編集がなされている。この辺りはちょっとキングスマンの影響もあるかな。

過激で血飛沫が舞うアクションシーンの間に、恋愛的なドラマや犯人探し的なサスペンスも挟んでおり、良し悪しは別として勢いで押し切る韓国ムービーのサービス精神には頭がさがる。

なんか続編を匂わせた終わり方だけど、次はどんな過激な手法で主人公の彼女を魅せてくれるのだろう。
恭介

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