壮絶アクションの衝撃作とは聞いていたが、いや～ここまでぶっ飛んでいるとは。次から次へと観る者を圧倒する作品を送り出してくる韓国映画に、また１つ傑作が生まれた。冒頭からいきなりの壮絶アクションで幕を開ける。大体のアクション映画であれば、クライマックスのシーンで使われるような迫力のアクション。それを冒頭でやってしまうインパクト。しかし凄いのはこの冒頭のインパクトだけの映画でない所。次から次へと観る者を圧倒する演出が続く。特に後半パートは凄まじく、アクション映画や韓国映画に慣れている人でも度肝を抜かれるだろう。実際自分も中盤までは本作の評価はそこまで高くなく、女暗殺者の代表作『ニキータ』をベースにした作風でそんなにひねりもなく、他の韓国ノワール作品に比べて綺麗所の俳優ばかりで少し安っぽさも感じた。なのだが、中盤からエンディングにかけての衝撃は、『ニキータ』や近年のハリウッドアクション映画、他の韓国を代表するノワール系にもない独特の凄味で驚かされる。この凄まじい作品の主人公を演じ、アクションにも果敢に挑んだのはキム・オクビン。自身はテコンドーの黒帯だそうだが、撮影のためにアクションスクールで4ヶ月みっちりハードな練習を積んだとのこと。とにかく演じようも凄まじいが、それこそ全身全霊かけた本気度がびしびし伝わる。それは監督を含めた製作陣も同じ。作風もぶっ飛んでいるが作ってる人達も良い意味で狂ってるなという熱量が圧倒的な作品なのである。韓国映画の、世界に向けて殴り込みをかけてるような気合いの入れ様は本当に凄い。ぎらぎらした映画ってやっぱ良いね。
