Yoshishun

悪女/AKUJOのYoshishunのレビュー・感想・評価

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
3.8
主人公含め、超人が多すぎるように思えたけど、これ『殺人の告白』の監督なのね、納得。

真の悪女とは一体誰だったのか?
部下を駒のように使い、任務に全うする女上司?自分の能力を羨み妬む同期の女殺し屋?それとも愛する人を奪われた復讐のため法律を侵しながらも標的を暗殺しようとする女主人公?

今の潮流に乗ったような、女性活躍のリベンジアクションサスペンス。韓国映画らしい容赦なきバイオレンスとハリウッド顔負けのスタイリッシュなアクションが融合し、二転三転もするストーリーを含め、主人公の壮絶な復讐劇が展開される。

序盤のFPS視点アクションを初め、撮り方が中々独特で、主人公視点になったり、第三者視点になったりでアクションの映像は飽きさせない工夫がみられる。ただ動きが早すぎるかつ薄暗い場面もあるため、少しアクションが解りづらいという難点もある。銃、刀、タイマンとバリエーションは豊かだっただけに惜しい。

またスタイリッシュなアクション以外の展開では、突然韓流ラブコメのような雰囲気の合わない恋愛描写も不満なところ。特に斬新さがあるわけでもないので、削ってもよかったように思う。また、時系列がわかりにくくなっており、加えて整形前後で顔が変わっているので、余計に展開がわかりにくい構成に。

個人的ベストシーンは序盤の廊下上での大人数相手のアクションシーン。まるで『オールド・ボーイ』の横スクロールアクションの中に入り込んだような感覚を体験できる。

アクションはバイオレントかつスタイリッシュで飽きなかったものの、ストーリーはまだ一工夫必要に感じた作品だった。
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