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悪女/AKUJOのLEGIONのレビュー・感想・評価

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)
3.7
映画全体として観たらかなり出来が良い作品になってるように感じた。アクション場面はカーチェイスや銃撃戦、格闘などあらゆる点においてレベルが高く、なによりアクションの価値観を上げたのは他種の激しいカメラワークだと思う。主人公視点や遠距離から写し動きに合わせてスマートに映像も動くので余計な動きがなく綺麗に感じた。血がでる映像はアメリカなどの作品に比べてカッコよくは感じず痛々しさを覚える。よりリアルにこだわろうとした結果だと思う。
ストーリーには反復の技法が含まれていて
主人公と同じ観点から物事を考えられるように構成されていた。「今」から見る景色の感じ方と「今」の「過去」を知ってから見る景色の感じ方は全く違う。その点があってより映画にのめりこめたと思う。
主人公の現在の行動にリンクさせ過去の行動を順々と見せるのでストーリー展開は読めてしまうものの謎が深まり楽しめるようになっている。
主人公の前夫の心情が読みづらかったのが課題点とも言える。決して浅かったわけではないが主人公を含め周りの登場人物の気持ちを映した描写が多かっただけにそう感じてしまった。この場合人間味を濃く出せばその人に対する怖さや憎しみも増すし展開の盛り上げにも影響を与えられる。
アクション場面でも細かい点で指摘するべき場所はあったもののそれを上回るほどのクオリティであった。
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