NEWおっさん

映画ドラえもん のび太の宝島のNEWおっさんのレビュー・感想・評価

4.0
「壮大なスケールの親子愛」

お馴染み新ドラ映画。今回はタイトルにもあるようにどこかにある宝島を求めていつものメンバーが冒険するという導入。しかし終わって見れば宝島探しはほんの序盤に一握りある程度で、何故か地球の危機みたいなスペクタクルSFみたいな話になっていた。

今回は前作の南極と違ってゲストキャラに大きく比重を置いている作り。超巨大海賊船というロマン溢れる場所にしずかちゃんがさらわれるが、そっくりなキャラが現れたり、その家族が抱える大きな問題を描くコトに力を入れている。親子愛がこの映画のひとつのメッセージなので、子供がいる大人のが響く作りになっている。終盤の回想の連続はベタながらも泣けた。あと今作はキャラ造形がところどころ旧ドラに寄せているのも良い。しずかちゃんが特に顕著。久しぶりに可愛いミニドラも大活躍。

緩急があり盛り上がりどころもあり、いつものメンバーそれぞれに見せ場もありと堅実な作りになっている一方で、細かいトコで不満はやっぱりあるなあ。特にクイズという鳥がシリアスな部分でも御構い無しにクイズ出しまくるのは正直ウザかった。のび太もこんな時までとかツッコんでるし。物語上重要な役割を果たすので必要不可欠なんだけどさあ。なんでこんな設定にしたのか。

あと後半になると説明なしで息を吐くようにひみつ道具使うから、どんな能力なの?てのもいくつかあったよ。冒頭で出木杉が宝島について熱く語ってたのに、出木杉は連れて行かないのも残念だった。ほんとそろそろ出木杉も連れて行ってあげても良いでしょ。まあなんでも出来過ぎるからメタ的に連れて行けないのも分かるけどさあ。じゃ出木杉のシーン自体いらないだろ、と。

終わった後ドラ映画では珍しくその後を視聴者に身を委ねる問題もあるので賛否両論出てるが、自分はこの終わり方も良しと思った。色々愚痴も呟いたが、個人的には南極よりも面白かったな。新ドラ映画も当初のイマイチさが嘘のように地盤を固めて確固たるものになってきているのが嬉しい悲鳴。

余談、カルボナーラという単語がドラえもんから出てくるのも驚いたが、ドラの口からインターネットという言葉が出てきたのにビビる。テレビが液晶になってたりと、ドラえもんも現代に少しずつ迎合してるんだなあ。この傾向を良しと取るか悪しと取るかは人それぞれだが、自分は歓迎したいな。そのうちスマホとか出てきて欲しいよ。テレビとかじゃもう出てきてるのかも知れないが。