小

文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)の小のレビュー・感想・評価

3.8
久々のマモ案件(娘がファンの声優の宮野真守さんがCVを務める映画)の家族3人鑑賞。自分1人だったら絶対に観なかったであろう作品。

原作はコミックらしいけれど、もちろん未読。たしかテレビアニメも放映していて、中島敦、太宰治、芥川龍之介といった教科書でお馴染みの文豪達が、彼らの小説にちなんだ“異能力”を武器に戦う物語。

映画以前から、聞きもしないのに娘がアレコレ説明してくれるので、多少の知識はある状態。主人公は中島敦(多分)。彼の“異能力”は「月下獣」と言って、要するに虎に変身する能力。我らがマモがCVを担当する太宰治の“異能力”は「人間失格」で、確か他の人の“異能力”を無効にするものだったかな。左腕に包帯が巻かれているのは自殺未遂ばかりしているから。

という感じで、誰もが知っているであろう人物をキャラクターにするというのは、イケボな人気声優がCVを務めるアニメの物語でよくあることらしい。

例えば、もとはゲームでアニメにもなった『薄桜鬼』は新選組をイケメンキャラクターにした話。こういうのにハマると聖地巡礼したくなるらしく、娘のお供で京都の「壬生寺」と「八木邸」には2回行きましたよ、ええ。壬生寺にはキャラクターのイラストが描かれた絵馬が奉納されていたりして、知らない人がみたらナニコレ感間違いなし。

前置きが長くなったけれど、映画はまあまあだったかな。主人公の中島敦は気弱で心優しい性格故に、“異能力”に対して複雑な感情を抱いていて、そんなものはいらないから普通になりたいと思っているようなタイプ。

つまり、“異能力”は自分が認めたくない自分の一面みたいなもので、それを認めることで成長していく、というようなことらしい。どうやって認めるようになるのかといえば、この映画における敵で、澁澤龍彦と戦うことによって。

澁澤龍彦も訳ありで、それが中島敦の葛藤と上手いことつながっていて、まあまあ面白いじゃないのと。マモの太宰治も主役に負けないくらいの活躍で、娘も満足したのではないかと。

今年受験生の娘の学業の方が心配ではあるけれど、おかげで文豪たちの小説や幕末史に興味を持つきっかけになっているから、多少の効果はあるのかも。誰かマモの声で英語の教材を作ってくれないかしら。そしたら成績アップ間違いなし、多分…。

●物語(50%×3.5):1.75
・案外ブンガクしている気がした。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・マモのおかげで娘と一緒に映画に行けるという…。個人的には、べ様(諏訪部順一さん)が好き。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・まずまずのクオリティ。
小