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囚われた国家のseriのレビュー・感想・評価

囚われた国家(2019年製作の映画)
4.6
『猿の惑星 創世記』を撮ったルパート・ワイアット監督の最新作。
上映当初はパッケージ詐欺といわれ評判が下がっていたのが印象的。

この映画は、宇宙船とイケてる現代兵器が戦ったり、核ミサイルを打ったりはしない。皆大好き巨大ロボットは遠景に配備されてる姿がチラッと見えるだけである。エイリアンもそもそもあまり出てこない。
確かにパッケージから受ける印象とは大分異なるが本作は良い意味で違う。

まず、エイリアン侵略後の世界という設定が素晴らしい。
人類はエイリアンに統治されいるが、人間とは居住地が別で地下に住んでいる。
この設定は予算の関係もあると思うし絵としては地味になってしまうが、リアリティはあるように感じる。自身で想像してみてほしい。家畜と同じ地域で生活なんて絶対無理だ。しかもエイリアンは人間の臭いも苦手ときているため、同じ空気を吸って生活するなんて不可能である。

レジスタンス組織以外にもエイリアンに飼いならされている人々が出てくる点も良い。

全体を通して緊張感があり派手なシーンはないが撮影や画面作りはカッコいいし役者もベテラン揃い。

終わり方はシンプルにカッコよくエンドロールも『猿の惑星 創世記』を彷彿させる。
パッケージに騙された人たちは終始モヤモヤすることになるだろうが間違いなく傑作。

レジスタンスの情報伝達シーンは近年稀に見る最高の出来。
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