こんな社会的に重い問題をアニメーションにした監督の才能と、それが商業映画として成り立つ韓国に感心する。
日本ではどうだろうと思うからだ。
監督自身も言うように、日本の今敏から影響を受けていることは画風からもわかる。
しかし、テーマが重い。さらにリアルで問題意識が高い。
ダムに沈む小さな村の「鼻つまみ者」、ヤクザのミンチョルがいくら詐欺師と証言しても、それが通用しないようすや、状況が好転しなくても「信じる者は救われる」宗教の本質が逆に怖かった。
ファンタジーでも、アクションでもなく、青春ものでもない。
ましてや恋愛ものでは断然ない。
そこが凄い。