Aya

我は神なりのAyaのレビュー・感想・評価

我は神なり(2013年製作の映画)
3.5
#twcn

「フェイク」って何・・・「我は神なり」ですよね?
実写初監督作品「釜山行き」をヒットさせたあの!ヨン・サンホ作品。
キリスト教大国の韓国らしい映画。

ダム建設のために狙われた村。
住民の不安をいいことに、牧師を雇い、祈祷院を作る、という口実で指名手配中の詐欺師は信仰心の厚い貧しい村人を鼓舞し、どんどんお金を取っていく。

ものすごく信仰心の厚い村人たちは毎日説教に通い、自主的に祈り、全てを捧げて祁答院で暮らすこと、そして天国へいくことを夢見る。
それが生き甲斐であり、それが全て。

懺悔の会みたいなんを開いて自らの罪を告白し、許しを乞う際には村人内の浮気がバレたりと生々しく誰も得してないw

この主人公はクソオヤジなんですよ。
DV、ギャンブル、喧嘩、子供の金を盗む。
完全にアウトなんですね。

でもその詐欺集団に一番に気づいたのはこのオヤジ、ヤン・イクチュン。
誰も相手してくれない中、あいつは詐欺師だ!みんな騙されてる!と孤軍奮闘する。

が!そのやり方が結構アウト。
娘が大変な状況に陥るのですが、それを俺が正してやってる感がマジでありえない自分勝手。
そもそも娘のその状況を作ったのはお前だよ!!

この家族に限らず、村全体がこの牧師と代表のいうことを信じ、神を信じ、祈り、献金することに邁進し、他が全く見えていない生き方には無神教の私はハッキリ違和感を覚えます。
アメリカで行われている福音派のキャンプと変わらない。
怖い。

もう一人主軸になるのはこの詐欺集団に同行し、皆に神の技を説く牧師。
彼は何か訳ありのようで、雇われの身でよく事情を知らぬまま、胡散臭いなあと思いつつ付いて来たもののハッキリ詐欺だとわかり、村民への自責の念と詐欺師への憤りを感じるのですが、成すすべなく・・・。

そこからこのクソオヤジを主軸にこの村、詐欺集団をかき乱してゆく!

かなり面白かったです。
よく出来てるし。
やっぱストーリーテリング力、脚本がかなりうまいですよねヨン・サンホ。

絶望的で救いようながない、あのみんなの大好きな韓国映画っぽくて。
多分これを実写でやられても、もう何十回も見ましたよはいはい、ってなるとこやと思うのですが、アニメというとなんかキャラクターがあんまり魅力的に見えない分、絶望感に拍車がかかる気がします。

私、韓国で時間潰しにたまに教会に行くことがあるのですが(クーラー効いてるしどこにでもある。なんやったらコンビニよりある)、ここまで熱心ではないにしろすげえ人来る。子供から大人から老人に若い人まですげえ来る。

全然関係ないとこでも世間話にクリスチャンか?って聞かれたことあるので、多分世界有数のカトリックの国なのではないかとw

Aya

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