【いつか上に行ってみたい】
環境汚染が拡大し、地上では住めなくなった人類。地下で長らく生活をしていたが、人工生命体マリガンによる反乱に負け、人類の居場所が激減。さらに新種のウイルスに苦しめられる。絶滅寸前の人類はついにマリガンとの対決を試みる…。
ヤバイ。す、すごすぎる。
新感覚の映画というか、こんなストップモーションは観た事がない。全世界を魅了するわけだ。さらにこれを殆ど堀 貴秀さん１人で7年かけて制作しているという何たる根性と忍耐。尊敬でしかない。凄い日本人だ…。
オリジナリティ溢れた独特な世界観に惚れ、最初は馴染むのに必死であったが、その作り込まれた雰囲気にいつの間にか吸い込まれている。SF映画が好きな人は、堀監督が作るワンシーンワンシーンに燃え上がる事間違いなし。映画が相当お好きなんだろうな〜と伺える。
例えばストップモーションでいうとスタジオライカなどが一線で活躍しているけれど『KUBO』などの滑らかで、まるでストップモーションとは思えぬ技術や迫力という感じとはまた違う。完全にストップモーションの作品というのは分かるけれど、圧倒的なカメラワークで、実写のアクションを観ているかのような感覚に陥る。
この作品で作られた陰湿なディストピアに合うグロ描写も良いスパイスとなっていて、個性的なキャラクターやクリーチャー像も夢がある。
そして凄いのが言語を持たない(既存の言語ではない)ストップモーションはよくあるけれど、それを101分という長編に仕上げてしまったのだから、凄い。革命でしょ。
デル・トロやヤン・シュヴァンクマイエルへのリスペクトが伺える一作。間違いなく天才さん。
