物作りに掛ける情熱と狂気が入り混じった歴史に残る傑作。
キャッチコピーでも謳われてるように長編映画初の堀監督が7年掛かり、ほぼ一人で作り上げた作品です。
ストップモーションアニメは1コマ1コマ人形を動かして撮影する事で動いている様に見せる映像技術の事ですが、途方もない労力と時間が掛かる撮影方法でもありますが、他のアニメーションとは違う実在感があるのがとても魅力です。
その実在感が今作では存分に活かされています。
技術の発展で人間は不死の存在になった代償として生殖能力を失った。
そして環境汚染で地上には住めなくなったので地下に活路を見出し地下探索をするというお話。
独自に発展した圧倒的な地下迷宮の世界、多種多様なキャラクター、コミカルな会話劇、生き物としての実在感が織り混ざり唯一無二の一つの世界を完璧に創り上げています。
まるでジョージルーカスがスターウォーズの世界を創り上げた事とオーバーラップする映画史的にも意味のある出来事では無いかと思います。
タイトル通り頭だけになった主人公が仲間と出会い生きる意味を見つけ出すテーマの壮大さを見事に根底に忍ばせ冒険活劇のエンタメとして昇華しているストーリーの分かりやすさも素晴らしいです。
「2001年宇宙の旅」然りビジュアルのインパクトがある作品はストーリーが難解になるお約束があると思ってましたが、そのお約束をぶち壊したのも誰もが楽しめる作品になっていると思う。
要所でゴア描写が入るのですが単純に気持ち悪いということではなくキャラクターが死んで血が流れる事で今まで生きていた人が物になる残酷さと生命の儚さを感じます。
これはストップモーションアニメならではの化学反応です。
劇場で観れて本当に良かった。
続編いつまでも待ってます。
