まりぃくりすてぃ

マッド・メアリーのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

マッド・メアリー(2016年製作の映画)
2.0
女同士の友情と(普遍的な意味での)自分探しをヴィヴィッドに描いた生臭いゴツゴツの佳作、と思いきや、、、、起承転結じゃなく「起・承・乱・不結」。
一義的にレスピアン目覚め映画だってことを、正々堂々もっとデカ声で広報してくれなきゃ困る。マニッシュなメアリーとフェミニンなジェスがそうなるかもって途中で読めちゃって、当初の期待と違いすぎる中身にアレルギー。もしも漫画の『NANA』でナナと奈々が(初めっからそういう傾向持ってましたとばかりに)完結巻でほかのすべての男を捨てて百合行為しちゃったら、発狂しない読者はいない。それと一緒。とりあえずこの映画は『マッド・リリー』に改題すべき。
同性愛が悪いとか善いとかじゃなく、シナリオが「女同士の友情」を何だか全否定してる点が私は気に食わない。
「真人間になれず変人にもなりきれない不幸な人間の、ガマン」を主演が好演したことは認める。けど、何度もくりだされた「変人」という台詞はもろに「同性愛者」の意味でしかなく、感情と社会性と性的傾向の問題が稚拙な形でごっちゃにされ、結局何の結論も得られなかったことも、ついでにいえば悔しい。これほどガールズをバカにしたガールズ映画はほかにない。
じゃあ、女同士の長く続く素敵な友情ってありえないの? 近年の例えばジョージアの『花咲くころ』とかイタリアの『はじまりの街』とかがどれだけ誠実な傑作か、を理解しない人たちの作った半端作。
なかなか面白かったけど。同性愛要素はこの作品にかんする限りまったく不必要。監督らはそんなこともわからなかったんだ?

自作のスピーチ文、よかった。当たり前に。