ホッパー

ずぶぬれて犬ころのホッパーのネタバレレビュー・内容・結末

ずぶぬれて犬ころ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

渋谷ユーロスペースで観た。今、『僕はイエス様が嫌い』を観るために日比谷で待ってる。

さて、短歌を2月ぐらいからはじめていろいろ調べてる。その延長線と実はやはり岡山ってところに惹かれるものがあって。それが観る動機。岡山県出身の人って聞くと良い人なんじゃないかって個人的な思いがある。

ツイッターで知った情報で住宅顕信の全俳句がのっていると知ってパンフレットを観る前に買った。略年表に1987年。2月7日死去。満25歳10ヶ月とあり。その先に1988年がある。これだけでもうすごいと思ってしまった。

パンフレットを買ったのにはもう一つ理由があってどういう形で作品が出てくるか分からなかったから予習しとこうと思った。反応できないで見落とすのを恐れた。この映画では演者にセリフで言わせたりテロップだったりとさまざまだった。

劇中、いじめられっ子が住宅顕信を知って羨ましいと言う。「周りに恵まれていて羨ましい。若くして死んだのも羨ましい」

たしかにそれは思った。
映画の中の住宅顕信は本当に家族に恵まれていた。愛されてた。当時絶対高かっただろうワープロ買ってもらったり。個室だったり。お家が裕福だったのだろう。句を作る住宅顕信を見守るお母さん、お父さん、妹さんみな優しくて。

ただやっぱり愛された人だけではなくて句を作って発信したから1988以降の年表や映画があるのだし。すごいなと。体は残せないけど文字は残せる。

お父さんが七五三の時に住宅顕信の気持ちが俺には分かるって言ったシーンにジーンときてしまった。子供抱きあげられないシーンにジーンときてしまった。お父さんお母さんがもうわからなくてお客さんだと思って俳句を語る住宅顕信は本当に俳句好きだったんだと感じて泣いた。

トークショーあって脚本家のかたが歌人だと知る。また俳人のゲストがいらっしゃってプロレスラーみたいな人だった。

最後にパンフレットの中から3つ好きなやつ

・レントゲンに淋しい胸のうちのぞかれた
・抱きあげてやれない子の高さに坐る
・水滴のひとつひとつが笑っている顔だ
・お茶をついでもらう私がいっぱいになる

3つと言いつつ4つになりました。俳句もやってみたい。
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