るるびっち

累 かさねのるるびっちのレビュー・感想・評価

累 かさね(2018年製作の映画)
3.4
スニークプレビューという、
何が始まるか分からないドキドキの覆面試写会で鑑賞。
始まったのは和製ホラー。
最初の印象では『ガラスの仮面』のホラー版。
舞台女優の入れ替えものという内容。

顔に傷がありコンプレックスを抱えているが、実は天才的な演技力のある主人公が、キスした相手と入れ替われるという不思議な口紅を使って、美人だが演技力の無い新人舞台女優と入れ替わる話。

最初は、漫画特有の少しエキセントリック気味な土屋太鳳の芝居が、恐怖よりも笑ってしまう。
しかし徐々に話が深刻化して、二人の女性の掘り下げや葛藤が描かれ、舞台女優の話ということもあり、演劇的芝居に変化していく。

土屋太鳳は下手な女優と中身が入れ替わって天才演技の女優と二役している。
それだけでなく、前半は漫画的エキセントリック芝居で、徐々に舞台風演技にシフトしていく。ラストでは堂々と劇中劇「サロメ」を熱演する。

漫画原作の場合リアル芝居では内容にそぐわない。
漫画を映画化する上で、漫画的演技というのが必要なのだと思う。
その辺、漫画原作を多く手掛けている土屋太鳳はよく心得ている。
更に話が深刻化する後半、漫画演技から舞台風演技に切り替えている感じなのも達者なものだ。
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