スプリングス

累 かさねのスプリングスのレビュー・感想・評価

累 かさね(2018年製作の映画)
4.0
〈/演/〉

【Review】
物語というのもは。
『ニセモノ』だ。
現実の模倣だ。
デフォルメされたレプリカだ。
イミテーションだ。
それらは『ホンモノ』があって初めて機能する。
物語は『ニセモノ』。
立ち回り。
言葉。
関係。
感情。
ニセモノ故に調整される。
演じるという行為は、ニセモノ世界の住人になることと同義である。
他者を演じる、嘘のみの世界で。
そして、その世界では時として。
ニセモノがホンモノを超える瞬間がある。





、、、これって映画の醍醐味じゃないですか。いや、映画に限りませんけど。物語を扱っているものなら何でもですけど。虚構の底力を引き出すことこそが、創り手が1番頑張らなきゃいけないことじゃないですか。

今作は超えてた。間違いなく。ホンモノを。

いやぁ、舐めとった。すげぇなこの映画。よく安い海外ドラマとかである『顔が似てるから生活を交換いたしましょう🎵』的なストーリーなのかと勝手に思っていましたけど、実際はもっとずっとシリアスだった。。

主演女優2人ももちろん凄いけど、浅野忠信の胡散臭さが無ければこの映画は成立しないだろうなと思いました。『嘘』が擬人化したらたぶんこんな人間なんだろうな。この映画に欠かせない役どころを見事に演じられていました。

女優さん2人はもう僕が言うまでもないですね。
素晴らしいですよ。

敬遠しがちなタイプの映画で、観るか迷ってましたけど。
劇場で観て大正解でしたね。

【Digression】
今作の主題歌を歌うのがAimer...そんなん、もう合うに決まってるやんか!
こんなに映画の根幹と結びつく主題歌ってあります?震えますよ!いやほんまに!
...そういうわけで、主題歌『Black Bird』。耐えきれずに歌ってしまいました。良ければ聴いてやってください。
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